アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合

東西アスファルト事業協同組合講演録より 私の建築手法

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妹島和世KAZUYO SEJIMA


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江山閣
江山閣 広間よりミーティングスペース越しに南側を見通す
江山閣 広間よりミーティングスペース越しに南側を見通す

江山閣は2000年にできた建物で、水戸一高という私の母校の合宿所です。創立120周年を記念して、老朽化した木造の合宿所を建て替えることになりました。ローコストでしたので、本来であればガラスを使ってもフィックスにするべきなのでしょうが、なんとか全部引き違いで開け放てるような建物をつくろうと思いました。ただ実際にはすべてを引き違いにするとコストが上がりますので、一方をフィックスにして一方が開くという具合にしました。

江山閣 平面
江山閣 平面

18メートル角ぐらいの建物なのですが、厳密な機能があるわけではなく、夏のクラプの合宿の際の宿泊施設としても使われるし、討論会をやったりゲームをやったりするのにも使われる建物です。北側の一番奥に女性用と男性用のそれぞれのトイレと浴室と抗面所があり、真ん中に和室があって、一番南側に土間のようなミーティングルームがあります。この和室は可動間仕切りによって、半分や一対二に仕切ったりすることができます。柱はあまりない方が使いやすいので、鉄骨の大スバン架構とし、三枚の耐震壁と一本の鉛直力を受ける細い柱の上に屋根スラブを架けただけの単純な構成にしました。学校の一番隅の、緑がうっそうとしたところが敷地ですので、なるべく低く、かつ周囲の緑を室内から楽しめるようにと考えました。

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