アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合

東西アスファルト事業協同組合講演録より 私の建築手法

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私の建築手法
山本理顕 - 設計のプロセス
邑楽(おうら)町役場庁舎[基本となる構造体]
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東西アスファルト事業協同組合講演会

設計のプロセス

山本 理顕RIKEN YAMAMOTO


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邑楽(おうら)町役場庁舎
基本となる構造体
建設風景
建設風景
カフェ
カフェ

基本となる構造体のシステムは、50ミリ角のパイプを用いた2250×2250×750のフレームです。それを3×3で9個並べたものが1ユニット。1ユニットの重さは40キログラムくらい。ふたりで運べるくらいの重さですので、重機を使わずに運ぶことができます。

このユニットを壁として考えますと、外と内に二重のレイヤーができます。外壁には、断熱パネル、ガラス、ガラリなど、必要に応じてさまざまな材料を用いることができますし、内側も内部の性格によって断熱材、木、窓など自由な選択が可能なのです。

屋根も同じで、ペアガラスのトップライト、断熱のパネル、太陽光のコレクターなどを自由に選んで、この構造体に張りつけていくことができます。

750ミリという寸法は、人間が入って中でメンテナンスができる寸法ということで決定しました。人が入って、ガラスの掃除もできますし、パイプスペース、ダクトスペース、空調機などのための設備スペースとして使うことが可能です。

さらに、この750ミリという空間と、ルーバーやダンパー、トップライトなどを連動させて、溜まった熱気を換気することができますし、断熱効果も高まります。これに近い方法は、埼玉県立大学でも採用し、非常にうまくいきました。

構造は、オーブ・アラップ・ジャパンといっしょにやっていますが、話しているうちにさまざまなアイディアが生まれてきています。

基礎もこのユニットでつくってしまおうというのもそのひとつですし、ユニットの接合にも工夫が凝らされています。接合に関しては、溶接、あるいはボルト接合というのが一般的ですが、ここではベルトで縛ることで接合しようと考えています。ベルトといっても梱包の際に用いられるスチールのベルトで、これで縛ってしまえば溶接が要りません。

エコパイルのようなねじ込み式の杭を打って基礎をつくり、ベルト圧着でユニットを接合すれば、コンクリートや溶接を一切使わずに建築ができてしまうのです。ですから、今までの建築とまったく違い、非常に簡単に建築が出来上がっていくのです。また逆にいえば、解体するのも簡単ですので、増改築、移築、撤去、そして地面を復元することがとても容易です。

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