アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合

東西アスファルト事業協同組合講演録より 私の建築手法

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伊東 豊雄 - 明日の建築を考える
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明日の建築を考える

伊東 豊雄TOYO ITO


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せんだいメディアテーク

ここで、少し前の作品になりますが「せんだいメディアテーク(2001年)」をご紹介したいと思います。このプロジェクトは2001年にオープンしたのですが、そこから14年後の2015年に、同じようなプログラムを持った「みんなの森 ぎふメディアコスモス(2015年)」をオープンさせることができました。このふたつを比較して、この十数年の間に何が変わったのかを見ていただけたらと思います。

1995年にコンペティションが開催され、チューブと呼んでいる構造体が矩形の建物を垂直に貫くような構成を提案しました。この構造体こそが、この建築のいちばん大きなエレメントです。

敷地は、100万都市である仙台の中央部にあります。50メートル四方の平面で、高さ35メートル、7階建ての建築の中に、図書館を中心とし、ギャラリーやシアター、約300人が収容できるオープンなギャラリーホールなどのプログラムが複合されています。構造体であるチューブ以外にはあまり壁のない建物です。チューブの中には、階段やエレベーターなどの垂直動線が入っていたり、空調のダクトや電気の配線が通っていたり、さまざまな働きを内包しています。

四角い箱ですから、近代主義的な、周囲の環境から切り離された箱です。その箱に、縦に穴をあけることで、外の空気や光が内部に入ってくる──「せんだいメディアテーク」では、そういう建築をつくりたかったのですが、結局、チューブは上で閉じられてしまっていて、チューブ内部も内、チューブの外の空間も内。両方共内になってしまいました。そのことがずっと気になっていました。

「せんだいメディアテーク」南側より見る。
「せんだいメディアテーク」南側より見る。
「せんだいメディアテーク」1階カフェから案内カウンター方向を見る。
「せんだいメディアテーク」1階カフェから案内カウンター方向を見る。
「せんだいメディアテーク」断面
「せんだいメディアテーク」断面

改めて簡単に内部をご紹介します。1階中央にはオープンスペースがあり、その周辺に軽い食事のできるカフェやショップがあります。2階には雑誌類を自由に読むことができるレファレンススペースや、インターネットで検索ができるブラウジングコーナーがあります。当時は、こういった場所が珍しい時代だったのです。今では、ここにわざわざやってきて検索しなくたって、みなさんご自身の携帯電話で好きな時に好きな場所で検索ができる時代になっていますね。また、2階には児童書のコーナーがあり、子どもが自由に本が読めるスペースを設けており、お母さんが新刊図書コーナーで本を読んでいる隣で、子どもが本を読むという姿は、今でも見られます。3階は図書館のメインフロアで、勉強もできる大きなテーブルや、少し高いレベルから下の図書館フロアを眺めながら本を読めるようなスペースなど、いろいろな場所を設けています。最上階には、ワークショップなどができるオープンスペースを設けています。このフロアは東日本大震災ではいちばん揺れが大きく、天井が一部落下してしまったこともあり、現在では修復されて、多少使い方が変わっています。

「せんだいメディアテーク」7階平面
「せんだいメディアテーク」7階平面
「せんだいメディアテーク」3階平面
「せんだいメディアテーク」3階平面
「せんだいメディアテーク」5階平面
「せんだいメディアテーク」5階平面
「せんだいメディアテーク」1階平面
「せんだいメディアテーク」1階平面
「せんだいメディアテーク」さまざまな機能を内包するチューブ。
「せんだいメディアテーク」さまざまな機能を内包するチューブ。
「せんだいメディアテーク」チューブ内部を見る。
「せんだいメディアテーク」チューブ内部を見る。
「せんだいメディアテーク」3階図書館開架エリア。
「せんだいメディアテーク」3階図書館開架エリア。
「せんだいメディアテーク」2階レファレンススペース。
「せんだいメディアテーク」2階レファレンススペース。

「せんだいメディアテーク」チューブを見る。
「せんだいメディアテーク」チューブを見る。

以上が、「せんだいメディアテーク」ですが、これと、新しい「みんなの森 ぎふメディアコスモス」は何が違うのかを、これからご説明してまいりたいと思います。


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