アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合

東西アスファルト事業協同組合講演録より 私の建築手法

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佐々木 睦郎 - スチールによるライトコンストラクション
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東西アスファルト事業協同組合講演会

スチールによるライトコンストラクション

佐々木 睦郎MUTSURO SASAKI


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自然の中になじませる
大田区休養村とうぶ
大田区休養村とうぶ

これも伊東豊雄さんとの作品で軽井沢にあります「大田区休養村とうぶ」です。大自然の中に約三百メートルぐらいのブーメラン状の平面をした長い建物です。基本的には混構造形式の二階建てです。高いほうのレベルと低いほうのレベルが約二十メートルくらいの差があります。段差があって、その段差に沿って自然に逆らわず屋根がつながっています。自然の中ではとにかく自然になじませるのが一番いいというコンセプトで設計されました。

非常に軽快な屋根と軽快な柱で構成さ・れています。柱が直径二百十六ファイの鋼管です。屋根が折板です。ここではサンドイッチはまだ使っていません。通常の折板ですが、ブーメラン状の平面の真ん中に体育館があって、蛇がちょうど卵を飲み込んだような形態です。それを折板で合わせていくのは少し大変でしたが、その屋板に対してスチールストラクチャーのほうは原則的に二階の鋼管支柱が一階のRC造部分をまたぐような格好で地面まで下りていて、鳥居状のフレームが連続してちょうど金太郎飴のようになっています。中間のところでつないでいるだけすが、それによって列柱を記号化するようなデザインです。二階のレベルですが、ここでちよんちよんと止まつてるのがわかると思います。ここから下はRCです。RCの薄肉ラーメンですが、一部壁式のところもあります。下に宿泊施設などの小部屋単位の部屋が入っています。

体育館ですが、屋根の標準的な梁成を二十五センチで統一しています。一般的なスパンの短いところ(短いといっても十メートル以上あるんですが)はそれで構成していて三十メートルぐらいのところはそこからトラスをぶら下げるような格好で同じ表現をしています。柱については、十何メートルあり、風圧を受けるので、外の柱は全体のリズムに合わせて、中でH鋼とくっつけてフィーレンデル的にして一貫した表現をしています。

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