アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合

東西アスファルト事業協同組合講演録より 私の建築手法

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妹島 和世 - 自作について
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妹島 和世KAZUYO SEJIMA


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公園という特殊性を考えた建築
古河総合公園飲食施設
古河総合公園飲食施設

「古河総合公園飲食施設」です。公園の休憩スペースです。先ほど佐々木さんからストラクチャーのシステムについては詳しくご説明があったので省きます。私がここで考えたことは、公園という場所だから、都市の中とはまったく違うので、いわゆる典型的な、合理的なものじやないものをつくりたいということです。いくつか案をつくったときにフォーリーとしてオブジェクティブなものを置くのもありましたが、もう少し林なのか建築の場所なのかわからないようなものがつくれないかと思っていました。

要求条件は、半分が内部の体憩スペースで半分が外の休憩スペースということだったので、サッシを閉めるとそこだけインテリアになるんですけれども、一年の半分はそれを開けてしまうと内も外もないような、同じように使える場所を考えました。

左はステンレススチール鏡面仕上げの鉄板耐震壁
左はステンレススチール鏡面仕上げの鉄板耐震壁

左右に外があり、真ん中にインテリアがあります。構造の四枚のパネルを鏡面で仕上げまして、できるだけ外の様子を建築のインテリアに取り込もうと思いました。座る人や動く人の視線に回りのものが建築の内部に参加してくるようなことを考えました。そういう意味でテーブルのトップも鏡面デコラを使って、空が映ったり、視点によっては回りの景色が映って、それが仕上げ材みたいになっています。冬の間から春までは、回りが落葉樹なので幹だけになり、それと構造が平行して並んでいて、私としては連続するものがあるんではないかと思ってます。

直交方向はガラスフィックスになっていますが、それにはフィルムが貼られています。実際に事務所に置いてあったオリーブの木をデジタルカメラで撮ってコンピユータの中で画像処理したパターンで本物の緑と嘘の緑みたいなものを重ね合わせようとしました。

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