アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
そういう意味で、空間は身体感覚を共有するための培養器だといえます。ですから、ある建築をつくったとたんに、ある身体感覚を強制してしまうということもできます。
つまり、空間はその身体感覚に対する教育装置になっているわけです。ここではこう振舞いなさい、ということを教育する。ですから、すべての建築は教育装置といえます。
たとえば、皆さんは雛段状に座ってこちらを向いていて、私だけが反対を向いています。こういう空間のつくられ方が「一方的に聞きなさい」という作法の強制装置になっているといういい方だってでさます。
教室もこれと同じかたちになっています。小学校から私たちは学校という教育装置の中で自分の身体感覚をつくりあげられてきているわけです。
私たちが建築に関わる者だとしたら、そういう教育装置、人間の身体感覚に関わるような教育装置をつくっているという自覚がやはり必要なのだと思います。そのときに、空間を単にオブジェのように考えたり、アートワークのように考えるのは、まったくナンセンスだと思います。