アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
数多くの和風建築、とりわけ数寄屋という様式に深く関わってこられた板垣氏の講演録。数寄屋のもつ不思議な生命力をその設計手法の中から探る。
玄関を入り、土間続きの通路を左に進むと、さきほどの立礼席にいたります。ちょうど床の間の脇を通って入ることになります。この床の間もわざと床柱と床かまちをずらしたり、洞床のように壁の陰の空間をつくり出したりして、空間に動きを生み出すことを意図しています。
もう一度玄関に戻り、畳廊下を右手に進みますと、まず次の間から二の間、そして一の間に辿り着きます。実は、玄関の床の間と床脇の障子の後ろが一の間なのですが、大きな家ではありませんので、わざと少し遠回りをすることで、距離感や空間の連続性や変化を体験してもらうために、このような動線をつくり出したのです。これは一の間にいたるアプローチでもあるわけです。この間にいろいろ情景の変化をさり気なくつくり出したいと思いました。
「紅林邸茶室」「吉ガ沢山荘」「新喜楽竹の間」 「岩城家墓所」「吉屋邸」「西宮市迎賓館北山山荘」 「茶道宗偏流幽軒」「赤坂パークサイドビル」 「伊東別邸」