アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
妹島私たちは品川の古い倉庫を事務所として使っていますが、その中で私たちふたりが共同で主宰するSANAAと、私と西沢がそれぞれ主宰する事務所の計三つがともに活動をしています。
西澤ふたつの部屋に三つの事務所が同居しているのですが、基本的には、それぞれ個人の小さな仕事を自分の事務所でやって、共同設計はSANAAでしています。SANAAというのは、もともと、海外のコンペティションに一緒に参加するためにつくった事務所です。海外の仕事、もしくはあとでお見せする金沢21世紀美術館のような大変規模の大きい建物、そういうようなものを共同でやろうということが、SANAAというものをつくった始まりでした。最近は例外も結構あるのですが、海外のものは主にSANAAで共同設計をして、友人の住宅など、国内の比較的小さなものはそれぞれ別々にやるというのが、基本的な姿勢です。
妹島理想としては、共同の場合と個人の場合とで異なった状態が生まれてきたらいいなと漠然と考えています。客観的に見れば似ているのかもしれませんし、今後の展開もよくわかりません。試行錯誤している段階です。
今日は「近作について」というテーマで、去年の暮れにできたものから、今やっていること、そして設計から約五年半を経て、先日10月9日にオープンした金沢21世紀美術館に関して話をさせていただきたいと思います。