アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合

東西アスファルト事業協同組合講演録より 私の建築手法

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私の建築手法
出江 寛 - 伝統美を現代建築に
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東西アスファルト事業協同組合講演会

伝統美を現代建築に

出江 寛HIROSHI IZUE


伝統美を現代建築に-出江 寛

伝統的な日本の建築に、新しい風を吹き込んできた大江氏。「美しい」建築を考える時、風土による文明や文化の違いからくる美意識をも考慮する必要がある。様々な観点から日本建築を語る。


わが国の京都や倉敷や奈良など思わず絵を描いてみたくなるそれらの街は、古いけれども美しい。それは人間の心の情に訴えているからです。人間の情を優しく受け止め、吸ってくれる材料でつくられているから絵を描いてみたくなるのです。

煉瓦と煉瓦タイルを比較してみましょう。煉瓦の吸水率は30%、煉瓦タイルの吸水率はゼロ。煉瓦タイルの赤い表面を弾くと磁器質の白い色が出てきます。煉瓦ではありません。嘘っぽい。大理石のように見えるプラスチック、皮のように見えるビニール、上等そうに見える木目の化粧板。みんな嘘っぽいんです。しかもドライ。すべての現代建築材料はドライです。昔の瓦は吸水率が7から15%あったから、ペンペン草も苔も生えました。現代の瓦は吸水率ゼロですから何も生えない。色も単一で最近の日本の瓦屋根は絵になりません。画家の小野竹喬も瓦一枚一枚の色むらが面白いんだといっています。そういう材料が昔の材料なんです。

Profile
略歴
1931
京都府生まれ
1951
京都市立伏見工業高等学校建築科卒業
京都大学施設部技術課建築係文部技官として勤務
1957
立命館大学利口学部土木工学科卒業
1959
京都大学施設部退職 竹中工務店入社
1976
竹中工務店退社
出江寛建築事務所設立
1984
大阪市立大学講師に就任(〜91年)
1986
ドイツ講演を行う
1992
新日本建築家協会本部理事に就任(〜94年)
大阪府建築士会理事に就任
1994
大阪芸術大学講師に就任
設計競技
1966
セントラル硝子コンペ最優秀賞
1969
最高裁判所公開コンペ佳作賞
1985
全労済会館公開競技一位
1986
第二国立劇場公開競技佳作賞
1994
近江八幡市かわらミュージアム建築設計
プロポーザル最優秀賞
受賞
1984
日本のインテリアデザイン賞優秀賞
1991
吉田五十八賞
商環境デザイン賞
1992
関西建築家大賞
兵庫県さわやか街づくり賞
1994
和歌山県ふるさと建築景観賞建築物部門
1995
福岡市都市景観賞
中部建築賞
1996
国際建築アカデミー特別賞
作品

「逆瀬台の家」「基督兄弟団西宮教会」「広島MIDビル」 「東京竹葉亭」「朧月夜の家」「六甲アイランドCITY」 「トタンの茶室茫々庵」「かわらミュージアム」 「三四郎の家」「コミュニティ・プラザ平野」ほか

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