アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
伝統的な日本の建築に、新しい風を吹き込んできた大江氏。「美しい」建築を考える時、風土による文明や文化の違いからくる美意識をも考慮する必要がある。様々な観点から日本建築を語る。
わが国の京都や倉敷や奈良など思わず絵を描いてみたくなるそれらの街は、古いけれども美しい。それは人間の心の情に訴えているからです。人間の情を優しく受け止め、吸ってくれる材料でつくられているから絵を描いてみたくなるのです。
煉瓦と煉瓦タイルを比較してみましょう。煉瓦の吸水率は30%、煉瓦タイルの吸水率はゼロ。煉瓦タイルの赤い表面を弾くと磁器質の白い色が出てきます。煉瓦ではありません。嘘っぽい。大理石のように見えるプラスチック、皮のように見えるビニール、上等そうに見える木目の化粧板。みんな嘘っぽいんです。しかもドライ。すべての現代建築材料はドライです。昔の瓦は吸水率が7から15%あったから、ペンペン草も苔も生えました。現代の瓦は吸水率ゼロですから何も生えない。色も単一で最近の日本の瓦屋根は絵になりません。画家の小野竹喬も瓦一枚一枚の色むらが面白いんだといっています。そういう材料が昔の材料なんです。
「逆瀬台の家」「基督兄弟団西宮教会」「広島MIDビル」 「東京竹葉亭」「朧月夜の家」「六甲アイランドCITY」 「トタンの茶室茫々庵」「かわらミュージアム」 「三四郎の家」「コミュニティ・プラザ平野」ほか