アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
明と文化とではどう違うのかと質問をしても、なかなか明快に応えてくれる人はいません。しまいにはいっしょだという話になってしまいます。「文明」と「文化」ははっきりと違います。「きれい」が文明で、「美しい」が文化なんです。
わかりやすくいうと、とりたての野菜にドレッシングをかけてパッと食べる、一元的な味を味わうのが文明で、とりたての野菜を漬物桶の中に鋳れ、石をのせて暗い所へおき、時刻の時を刻んだものを食べるのが文化です。暗い所で漬物石をおいて時刻の刻をかけた漬け物はコクのある味がします。コクのある味とは、隠し味のことで、それが文化なのです。昔の建築材料は隠し味をもっていました。その材料でつくると、都市は潤いをもってきます。隠し味のある材料でみなさんよくご存じなものに銅板があります。
銅板は、もともと赤い色をしていますが、時を刻んでいくと、隠し味が出てきて緑色になります。煉瓦造の建物に緑色のマンサード屋根がかかっている建物は、子供たちの絵の中ににもよく出てきます。
木は、消防法や建築基準法であまり使えなくなってしまいました。最近の材料は燃えませんが隠し味もありません。きれいなだけです。汚くなったら捨てます。保存しようとは、思わない。ドライです。プレハブ住宅は、隠し味のあるウエットな材料など一つもない。全部ドライです。
文明の材料の代表格にステンレスがあります。文明の利器の「利器」を「力」に読み替えてください。その文明の利器という力、未来永劫、ツルツルピカピカで隠し味がない。これは文明の利器すなわち「力」による文明の材料です。