アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
真っ白な壁があり、小さな窓がポツンと開いている倉敷の街。分厚い扉は閉まったままでいつ開くかわからない。まさに沈黙の美。沈黙とはマイナスの美、負の感性です。京都は「寺の町」といいますが、お寺は死後の世界、沈黙の世界です。その京都になぜ魅かれるかというと、街の背景に沈黙が存在するからです。倉敷も京都も沈黙の世界です。奈良の若草山で子供たちが鹿と戯れているその場所は確かにやかましい。けれども、その背後には山がずっと続いていて、やがて霞の中に山が消えていく、その世界は沈黙の世界です。海も沈黙の世界です。倉敷の街をみんなガヤガヤいって歩いているけれども、蔵はシーンと静まり返っています。背後が沈黙しているのです。「閑さや岩にしみ入蝉の声」ですね。この静けさに人間は安堵するのです。