アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合

東西アスファルト事業協同組合講演録より 私の建築手法

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私の建築手法
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東西アスファルト事業協同組合講演会

『海の博物館』以降

内藤 廣HIROSHI NAITO


図2は、建築と都市と土木の関係を書いたものです。私はこの三つがもう少しつながり合っていると思ったのですが、実際にはまったく切れていることがわかりました。分野としても、行政機構としても切れていて、交流もありません。この境界を外していくためにはどうしたらいいか、ということを最近よく考えています。最終的に出来上がった環境というのはひとつなのですがら、建築と都市と土木がもっと連携して密接につながり、ひとつの環境をつくっていくべきです。景気が悪いからといって何もしないのではなく、これから100年先まで見据えた価値をどのようにして生み出すかということにもっと踏み込むべきだと私は考えています。

9月11日の事件のことなどを考えますと、建築、都市、土木といった分野を超えた、ものをつくる力、仮に建築力といってもいいかも知れませんが、その意味の大きさを感じずにはいられません。環境や人口、民族問題から経済格差に至るまで、さまざまな分野で世界の仕組みが軋みをあげている現在、その軋みを念頭に置いた上で、身の回りにある日常をどのようにして支えるかということを考えることが、本当の建築力なのだと思います。 

Profile
略歴
1950
神奈川県に生まれる
1974
早稲田大学理工学部建築学科卒業
大学院にて吉阪隆正に師事
1976-78
早稲田大学大学院修士課程修了
フェルナンド・イゲーラス建築設計事務所(スペイン・マドリッド)
1979-81
菊竹請訓建築設計事務所
1981
内藤廣建築設計事務所設立
1986-95
早稲田大学非常勤講師
1999
東京大学非常勤講師
2001
東京大学工学部土木工学科助教授
受賞
1993
芸術選奨文部大臣新人賞
日本建築学会賞作品賞
第18回吉田五十八賞
共に対象は「海の博物館」
1998
くまもと景観賞
建設賞選定公共建築百選「海の博物館」
2000
第13回村野藤吾賞
高知市都市美デザイン賞特賞
日本照明学会照明普及賞優秀施設賞
IAA国際トリエンナーレグランプリ
第42回毎日芸術賞
共に対象は「牧野富太郎記念館」
2001
第42回BCS賞
「牧野富太郎記念館」
著作

「『海の博物館』(写真/石元泰博)」「『素形の建築』」「Silent Architecture」「『安曇野ちひろ美術館』(写真/石元泰博)」「建築のはじまりに向かって」「牧野富太郎記念館』(写真/石元泰博)」

主な作品

「海の博物館」「志摩museum」「住居No.14 筑波・黒の家」「住居No.15 杉並・黒の部屋」「住居No.19 全沢の家」「安曇野ちひろ美術館」「うしぶか海彩館」「茨城県天心記念五浦美術館」「住居No.21 干歳烏山の家」「十日町情報館」「牧野富太郎記念館」「倫理研究所 富士高原研修所」

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