アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
日本は今、建築をあまりつくらなくてもいい時代になりつつあります。大学でも、学生はリノベーションやコンバージョンの課題にエネルギーを出しています。それはそれで共感もできますし、確かに何でも壊してしまえばいいという時代ではありません。でも、実際にはまだまだ世界の中には建物をちゃんとつくってほしい人たちがたくさんいます。そういうところでやっていることも含めて相対化しながら、再度、日本の状況を見られたらいいなと思っています。
僕の設計活動は学生時代に立ち上げたシーラカンスから始まって、今はかたちを変えてC+A(シーラカンス アンド アソシエイツ)という事務所になっています。ここ名古屋にも事務所があり、ふたりパートナーがいて、東京では僕を入れて三人のパートナーでやっています。今日お話しするのは僕が中心になってやっている仕事です。ハノイのプロジェクトは東京大学の曲渕英邦さんの研究室と、東京理科大学の僕の研究室の学生が中心になり、それに現地の人たちが共働するかたちで進められました。ほかの海外プロジェクトも、磯崎新さんとのアイ・ネットだったり、山本理顕さんを含む五人の建築家との共働プロジェクトだったり、新しいテーマに向かっていくときには狭い意味での共同設計とは違ったコラボレーションが絶対必要になっていることを実感しています。