アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合

東西アスファルト事業協同組合講演録より 私の建築手法

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私の建築手法
隈 研吾 - 物質性とサイバースペース
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東西アスファルト事業協同組合講演会

物質性とサイバースペース

隈 研吾KENGO KUMA


物質性もサイバースペースも、どちらも僕にとっては、とても魅力的です。コンピュータだけが表現できる空間の世界、というのも魅力的だし、それからもう一方で、物質だけで表現し得る素材の世界というのもたいへんに魅力的だなと感じています。そのふたつともが魅力的なのはなぜだろうか。これが解けたら、おそらく二十一世紀がどういう世紀になるか、二十一世紀の建築がどのような建築になるかという大きな間題も解けるのではないか。それをなんとか解きたいのですが、そのヒントのひとつになるのが、もはや「かたちの時代」ではない、ということだと思います。

建築はかたちである、とは、昔からいわれてきたことですし、建築家というのは形態をデザインする人だと思われてきた。しかし、それは本当かなと、最近つくづく思います。形態はある意味でどうでもいいのではないか、むしろ形態以外に建築のいちばん面白いところがあるのではないかと。ただ一般の社会は、建築家というのはかたちのデザイナーだと認識されていますから、建築家がやると奇抜なかたちのデザインが出てくるんじやないかと思われているところがある。私も確かに昔はそう思われたことがあったのですが、そういうかたちの時代がどうも終わりつつあるようなのです。

Profile
略歴
1954
神奈川県に生まれる
1977
東京大学工学部建築学科卒業
1979
東京大学大学院修士課程修了
1985
コロンビア大学建築・都市計画学科客員研究員
1987
空間研究所設立
1990
隈研吾建築都市設計事務所設立
1998-99
慶應義塾大学環境情報学部環境情報学科特別招聘教授
2001
慶應義塾大学理工学部教授
受賞
1994
通産省選定グッドデザイン賞
1995
JCDデザイン賞
1997
新いなかデザイン賞大賞
アメリカ建築家協会ベネディクタス賞
日本建築学会賞作品賞
1999
ボストン・ソサエティ・オブ・アーキテクツ・アンビルト・アーキテクチュア・デザイン・アワード
2000
東北建築賞作品賞
インター・イントラスペースデザイン セレクション大賞
2001
第十四回村野藤吾賞
インターナショナル・ストーン・アーキテクチュア・アウォード
著書

『反オブジェクト』 『新・建築入門』 『建築的欲望の終焉』

作品

「M2」「高知県梼原町地域交流施設」 「愛媛県吉海町亀老山展望台」 「ベニス・ビエンナーレ'95日本館会場構成」 「水/ガラス」「ガラス/影」 「森舞台/登米町伝統芸能伝承館」 「川/フィルター」「劇場の反転」 「淡路サービスエリア」「森/スラット」 「北上川運河交流館」「馬頭町広重美術館」 「高柳町陽の楽屋」「作新学院大学」 「石の美術館」「那須歴史探訪館」 「県南総合防災センター」「高崎駐車場」 「海/フィルター」

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