アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
「すみだ生涯学習センター」では、企画書を読んだときに、必要な機能がひとつづつばらばらに独立しているプログラムに気づき非常に不自然さを感じました。市民の側にある日常生活のなかで横断的に必要なものがタテ割りの雑居ビルのように扱われてしまうことに対して、もう一度自分が使う立場に立って組立て直してみました。すべてのものが交差して複合的にありたいと、集合施設、メディア工房、学習センターという三つの機能をもつブロックの中に八つのブリッジを架けることになり、そして一体化を図るパンチングメタルのまん幕が導入されました。
「大島町絵本館」ではこどもたちが絵本を見るようにシークエンスが展開していく感じで、スロープをテーマにしています。ゆっくりと歩いてたどり着くようなイメージです。身体の弱い人たちと元気な人たちがいっしょにアプローチしていけるように、建物の中にスロープを周回させたのです。私は身障者がエレベーターに乗って行き着けばいいということが嫌いなんです。いろんな人がいっしょに生きていくために建築はどうあるべきかいつも考えています。つまり、みんなが共生する社会というイメージをテーマで考え出したのがブリッジやスロープなのです。しかしときにはこうしたものを装飾のように捉える人もいます。私はもっと積極的なファンクションをもった装置としてブリッジやスロープをつくっているのです。