アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
現在進めているものですが、最終模型に近いものです。音楽家のための寮というプログラムで、寮と音楽ホールになっています。最近では、初期の頃から、空間をつくるのに際し、ものの考え方を3D(スリーディメンション)から起こしていくことを始めています。ホールの中の階段のある部分を拡大して見ていただいていますが、データとは面白いもので、今までのパースと違うところは、どんどん拡大をすると、次のディテールが見えてくることです。家具の並べ方や照明のシミュレーション、色などについても同じようなことがいえます。ガラスの透明感や反射についてもコントロールできます。
また、今までの図面は、百分の一なり五十分の一になるとつぶれて見えない部分もありました。ところが、データだと、どんどん縮尺をアップしていってもそこにデータとしてすべてのものが存在します。要するに同時的にいろいろなものが存在するという可能性があるわけで、同時的に百分の一と原寸図が存在する描き方ができます。ですから、アルバイトがパーツをつくって、それをはめ込んでいくなど、部分を分解することによって、共同作業が可能になります。
断面詳細で説明します。ミニ・CADを開きます。例えば、バルコニーの一部を見てみましょう。拡大することによってバルコニーの一部が出てきます。さらに部分を拡大することで、細かく見ていくことができます。幅木の部分だけを見ることもできます。同時存在というか、サイマルテニアスにいろいろな縮尺やメディアを図面に取り込んでいくことができます。さらにそれを部分分解をしていくことができます。
内観のパースを、クイック・タイムVRという技術によって、単に3Dではなく、動かすこともできます。中を回るように全体を見ることができます。ウォーク・スルーというか、そこに存在するようなパースのつくり方がこれからはできるのではないかと思います。現段階では、技術の紹介でしかないわけですが、将来はそれ自身が単に技術ではなく、思想全体を帰る可能性もあるわけです。
ビデオで取り込んだ動画もコンピュータの画面の中に同時的に存在します。動くもの、動かないもの、音などを画面の中に貼りつけることができます。
最後は非常に技術的なプレゼンテーションになってしまいましたが、「都市へのプロトコル」という題に示されたように、メディアは、実はいろいろな設計の思想や、社会の思想体系まで帰る可能性があるのです。そういったものに対して、テクノロジーが何に応えられるか、あるいは環境やリアリティーをより深く考えるためにもそういったものが必要ではないかと思っています。