アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
最初に説明するのは集合住宅です。今まで小さな建物を一、二年でつくってきたんですが、この集合住宅は五、六年かかってやっとこの春第一期工事が済みました。当時から少しずつ考えていたことが「環境」ということばです。最近ときどき口にしたり書いたりしています。環境といったときに、今、いろんな人がいろんなことを考えられる状況だと思うんです。私としてはそういう状況だからこそ自分はどういうふうにそれについて考えられるか、あらためて考えてみる必要があると思っています。
環境というとまず「省エネルギー」とか「環境を大切に」とか「環境保護」が出てきます。それは重要なことで、私の設計の中でも、例えば自然の風が建物の中に入ることは結構重要です。同時に善し悪しとか合理的だ、不合理だということが「環境」という新しい概念が入ってきたときにまったく変わってしまう可能性があるだろうと思います。今環境という間題はだれもが反対できないパワーをもっていますが、ひとりひとりが再考してみるのが面自いのではないかと思っています。
ずっと昔から一般的にいわれている情報空間を私としてはイメージしてるんですが、物理的ではなくて目で見えないような環境が自分たちの実際の体を包む半分に間違いなくなりつつあるんではないかと思っています。そういうときに、具体的な体の快適性なりその関係を考えて建築がつくられるべきだと思いますが、片方でそういった目に見えない自分たちの生活をある程度決めていくソフトウェアなどと建築のあり方がどういう関係をもてるかについて考えてみるべきではないかと思います。
そんなことを漠然とこの集合住宅を計画する頃から考え始めました。それ以前はプランと機能の関係についてものすごく興味があったんですが、もう少しそこから違ったことを考え始めたので、その一連のものをどのように考えてきたのか説明させていただきます。