アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
板は手割りでしたが、石は鉄平石を使いました。これは地元の諏訪地方が特産地です。やはり戦前まで屋根に使っていたんですが、これを使おうということになり、こちらも戦前の職人さんにお願いしました。
二階の三角形の屋根は鉄平石ではなく、宮城県登米郡の雄勝というところで産出する天然スレートです。そこで割っていただきました。ただ、天然スレートでも距離が離れると、人工のスレートと同じに見えてしまうのがちょっと残念でした。
鉄平石はさすがに違うんです。このザラザラした味わいと微妙な色違い、これはもう絶対に自然なものでなければ出ません。これは雨が漏りますから、昔はこの間にシラカバやクリの割り板を張ったりしていました。昔ですから雨が漏っても平気だったんですが、博物館だからそれは困ります。下地は亜鉛のドブづけのデッキプレートで、その上にステンレスのメッシュをのせて、それに縛り付けています。これは職人さんが考えてくださったアイディアです。昔よりは簡単な下地です。中は全部コンクリートと鉄板でつくられて、それを自然の素材で包んだというわけです。