アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
これは茨城県古河市の市営公園の中にある休憩所です。この公園はかつてそこにあった御所沼の復元を中心に計画された公園で、京都大学教授で東京工業大学でも教鞭を執られている中村良夫先生が中心になってまとめられました。市側からの要求条件は、半分がインテリアで半分がエクステリアの内外部ともに使える休憩所をつくって下さいというものでした。私たちがここで考えたことは、公園の中なので、あまり合理的一辺倒ではないつくり方もあり得るのではないかということです。
ここでは細い柱をランダムに並べて、とはいってもある構造的なルールは守りながら、林のような空間をつくりました。柱の直径は60ミリですが、これで鉛直荷重だけを支えて、横力は四枚のパネルで受けるようになっています。カフェとテラスはガラスで切られていますが、スライディングドアになっていて、開けてしまうと、中も外もないような、内外同じ性質のスペースになります。春や秋はこういった使われ方がいいのではないかと思っています。
ある意味ではすごく装飾的な建物に見えると思いますが、むしろ構造のみが律しているといっても過言ではなく、構造家の佐々木睦朗さんとの共同プロジェクトです。イリノイ工科大学学生センターのコンペも佐々木睦朗さんと一緒にやっていますが、これも非常に細い柱と非常に厚いガラスの間仕切りでできている建物です。
構造材だけでできているけれども、構造なのか装飾なのかわからないようなものがつくれないかというテーマは双方に共通するものです。
力を受けるパネルは、岐阜県営住宅の区画パネルと同様、鏡面で仕上げています。そうすることで、周囲の山や林の景色が映り、実際に見える外の風景と、映り込んだ風景というふたつが交わって、インテリアをつくります。小さなコーヒーテープルと椅子もつくったのですが、コーヒーテーブルの上も鏡面にして、コーヒーカップの下にも空が映るようにしました。