アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
半透明の状態というのが非常におもしろいということに、あるとき気がつきまして、その状態をエキスパンドメタルを使ったり、布を使ったり、パンチングメタルを使ったりして試してみているんです。クリストという作家がいますね。建物でも橋でも何でも布ですっぽりを覆ってしまうような作品をつくる人ですが、それをパンチングメタルのようなもので覆った状態を想像しますと、ちょうどさきほどの横浜風の塔のようなものになります。
内部が透かし見えるという状態になると、ちょうど酔っ払って街を見ると表現しましたように、まるで風景がスーッとその瞬間に浄化されて見えてくるような気がするのです。完全にシャットしてしまうのでなく、また完全に透明な状態でもなく、という状態です。たとえば私はガラスという素材をなかなか使いこなせないんです。ガラスを使うと、むしろそれは壁ができてしまったように自分では意識してしまうんですね。それよりも、たとえばパンチングメタルのようなもののほうが、昔のすだれであるとか障子であるといった、やわらかくて何となく人の気配を察することのできる素材であるように感じられるわけです。ただ、いまは皆んなが使っているでしょう。ですから、最近はもう少し別な材料がないかなあということを、盛んに考えたり、探したりしております。以上です。