アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
次は3軒日の集合住宅で「ラビリンス」です。東京の西郊にあり、最初のアトリウムからも程近い場所に建っています。西武新宿線の駅のすぐ近くです。北側は新青梅街道という、非常に交通量の多い道路が走り、そちら側に短辺を面した全くの長方形の敷地です。 敷地の南側には、公道ではないのですが、実際は公道のように使われている暗渠があります。したがって南北2面が道路に面した長方形の敷地です。
アトリウムでは中庭にアトリウム空間をつくり、奥には突き抜けられないけれど、一般の人たちも入れるスペースをつくりました。しかし、ラビリンスでは通り抜けられるようにしました。駅が敷地のすぐ南にあり、周辺の人たちにとっては、通り抜けができることはたいへん便利なわけです。つまり、集合住宅の環境を住み手だけの閉じたものにしてしまわずに、もっと開いたものにしたいと考えました。ここは具体的には第2種住専と住居地域ですから、建物のヴォリュームに差があります。その差を利用しながら、通り抜けができる小さなアーバンパークというイメージで、パークといってもブランコがあるような公園でなく、そこを人が通り抜けていくちょっとしたアーバンパークを中心に計画しました
敷地の東側には駐車場があり、その他は住宅地です。したがって、現状では光とか眺めが期待できますが、東京はあまりにも開発のテンポが早いところですから、現状がそうであるからといって、期待してはいけない面もあります。そこで、アーバンパークと呼ぷ内側のスペースが、住戸からの景観もつくり、光も風も取り入れる場所にもなります。さらにそのスペースが、ここの住民だけでなく、周辺の人たちにも開放されているという構成になっています。
中央には半階分高くなったプラットホームがあります。そこからさまざまな階段を上り下りして各住戸にアプローチします。いちばん高いところは五階です。半階上がってまた下りて反対側に通り抜けられますし、プラットホームの両側の一階の通路を通って反対側に通り抜けることもできます。一般の人が入るということでプライバシーに問題が生じますが、それはメゾネットタイプを配置することで、あまり下層階には開口部をつくらないで、上の方からトップサイドライトなどで光を入れるといった工夫で解決しています。中央には半階分高くなったプラットホームがあります。
ラビリンス プラットフォームそこからさまざまな階段を上り下りして各住戸にアプローチします。いちばん高いところは五階です。半階上がってまた下りて反対側に通り抜けられますし、プラットホームの両側の一階の通路を通って反対側に通り抜けることもできます。一般の人が入るということでプイバシーに問題が生じますが、それはメゾネットタイプを配置することで、あまり下層階には開口部をつくらないで、上の方からトップサイドライトなどで光を入れるといった工夫で解決しています。
アトリウムと違ってラビリンスは通り抜けができるという、周辺に開いた建物になっているため、街の風景が建物の内部に飛び込んでくるぐらい、住棟の道路側への開きも大きくとっています。全体のカラースキームも、アトリウムのパステルカラーとは少し変えて、周辺の環境に対応させています。どんな建物でも普通は、昼の建物の表情は太陽光線などが考慮されて計画されますが、私はまた、夜間に建物がどのように見えるかということも大切だと思っています。昼と夜は1日を半分づつ分割しているわけですから、夜の見え方も重要です。特に外部空間に関しては照明などの専門の方に計画に参加してもらって決めています。
東京の場合は集合住宅を設計するときに、建築基準法は当然のこととして、それ以外に、東京都の安全条例という避難等について非常に厳しい条例があります。避難のための窓先空地や避難通路、集合住宅の主要な出入口と避難路はクロスしてはいけないといった細かく厳しい規定があり、なかなか自由に設計できません。通常は両側に2〜3メートルの避難通路をとり、その中央に建物をもってきます。すると建物の周囲には、法規によって余った積極的に活用できないスペースが生まれます。