アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
日頃見慣れている駅の道やデザイン、電話ボックス、ガードレールなど、いろいろ身の回りで、普段デザインがどのようにされているのか、あまり定かではない物のデザインに私たちの事務所は遭遇する機会を得ました。ここでは特に高齢化の問題や、障害者の人たちを含めて街に歩き易さや、楽しさを目安に、また今まで漠然と良いとされてきたデザインに対して、原寸の模型や、公開実験を行って改良やスタンダードの向上に努めてきました。それらの実験の結果を受けて道路設計のプロセスやチェックポイントを整理し、快適な都市空間づくりを目指しています。
場所は横浜の関内で、広場化して階段をなくし駅を改修しました。もともと横浜はきれいな街だったと思われる方が多いのですが、ここは暗い廃屋みたいなものがありました。三〇〇メートルの長さがあり、そこを調査したところ、太鼓橋のようにスロープを付けると十六段の段差が解消できることがわかりました。提案してはつくるという繰り返しで六年かけて改修しました。
世田谷区梅ヶ丘の障害者にやさしい道づくりです。歩道と車道のレベルを少し変えてもいいだろうと、歩道のほうは段差をなくしています。ガードレールや、電柱共架灯、街灯のデザインは出来ないと思っていましたが、例えばガードレールでは、「車がぶつかって壊れない」としか、基準書には書かれていないので、デザインもすべてやりました。草花タイルといって、雑草を鉄分に浸して焼くと化石のように仕上がる方法がフランスにありますが、それをここでは歩道に埋め込んで実践しています。
地域の人に四十ほど模型を見てもらい、深夜まで議論を繰り返し、小学校の校庭に全部の案を白墨で書きひとつひとつ説明しました。
通常日本の歩道幅員は一メートル八十センチメートルぐらいありますが、電柱やガードレールや、標識などで、実際に使われている部分は、八十センチから一メートルです。電柱を街路側に移し、ガードレールと全部一体化してやると、一メートル五〇から六〇センチメートル取れ、歩き易い道になります。また快適な照度の調査から電信柱は道の真ん中で◯・三ルクス出るのが一番よいとわかり、三〇メートルおきに全部移設しました。
障害者の人たちと私たちとNTTとNHKとで、「町で電話をかけるには」という実験もしました。重い電話機ばかりで、いかに電話がかけにくいかについてキャンペーンをしました。五ミリおきに高さの違う電話機の原寸模型を障害者の人に使ってもらい、人間の手の作業域などを考慮して実際の高さを、この実験の結果を踏まえて割り出しました。その後NTTの人たちが、八年ぐらいかかって現在のグレーの電話機に改良しました。
二五〇メートル余りの商店街の街路改修計画です。地上に舞い降りた天ノ川をテーマにつくりました。通常、光源は常に上からという既成概念を捨てて、焚き火やおとぎ話の魔法の玉のように、手をかざすと暖かな光が手を包んでくれます。スターダストプレートは三〇センチ角の洗いだしの平板の中に、レンズを埋め込み。光ファイバーの線を接続できる装置になっており、そのほかの平板は、ブルーのタイルやビー玉が埋め込まれています。