アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
今日は「スチールによるライトコンストラクション」というタイトルで数作品をピックアップして、最近私が考えていることがどういうぶうに反映されているかをお話したいと思います。
建築関係のみなさんだったら当然ご存じだと思いますが、バルセロナに建っているガウディの「サグラダ・ファミリア聖堂」と、同じくバルセロナに建っているミースの「バルセロナ・パビリオン」について最初にお話します。この二つの作品が、ここ数年来、私の構造設計のモチーフになっていて、両者の統合されたかたちが一番表れているのが、今日最後にお話する「せんだいメディアテーク」ではないかと私自身は分析しています。
「コローニア・グエル教会」でガウディは逆さ吊り実験を行い、それをサグラダ・ファミリアで実現しました。ガウディは三次元的な空間構造をどういうふうにとらえていくかを、一世紀前に果敢に挑戦して、その原型をつくったのです。ガウディは空間構造のパイオニアだったと私は認識しています。そういう構造を現代のテクノロジーでどう考えていけばいいのか。もちろん技術的レベルは非常に進歩していますので、まったく同じというわけではありませんが、私が考える空間構造の原型としてとらえている一つの建物です。
れからミースの作品。非常に軽くて透明な建築です。これも私のモチーフの一つになっています。本来ミースが1929年に仮設建築としてこのパビリオンを建てたのですが、それが1986年に再現されました。オリジナルとは構造が若干違っていますが、八本の柱で支えて、上にフラットな屋根が架けられています。この二つの建物は、今日お見せする作品のすべてにわたって通底しており、私のベースになっています。