アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
やはり妹島さんとの作品で、「古河総合公園飲食施設」です。古河公園の中にある喫茶店のようなものです。わずか三百平米ぐらいの建物ですが、不思議な風景をここでは生み出しています。
妹島さんも私も、どれが構造なのかわからないようなことを意図しました。ひょろひょろと立ってるのは六センチのパイプです。屋根は三センチのスラブです。その上に防水や断熱などが入って七、八センチと、非常に軽い建築を生み出しています。
ミースがバルセロナをもとにして、そのあとにユニバーサル・スペースという空間概念に到達したのと対照的に、われわれは無限定に大空間をつくるのではなく、ユニバーサルなスペースの中に秩序を壊すようなものを入れていくというか、秩序そのものがないような、それでいて何か不思議に成り立っているスペースのあり方を追求しています。
約百本の六十・五ファイの柱が、あるルールをもとに、ランダムに立っています。ステンレススチール鏡面仕上げの鉄板耐震壁があります。風に対してX方向に両側に二枚、Y方向に両側に二枚入れてます。緑が映り込んでいますが、中にはコーヒーなどの自販機が設置されています。
要素としてはマットと三センチの屋根スラブと、縦の六センチの支柱と、厚さ六センチのバネルだけで構成しています。パネルがないとぐらぐら動いてしまいますが、X、Y合わせて四枚パネルをバランスよく人れると、びくとも動かなくなります。コンクリートの中に若干切り込みがあって、足元で止めています。上は二十五ミリのキーストンプレートです。その上に四・五ミリの鉄板を溶接し屋根を構成しています。
二十九・五ミリの中に頂部を止めるディテールが全部仕込まれています。ぼこぼこするようなものは天井面に出ないようになっています。
私は家具のデザインが好きです。コルビュジエの家具やミースの家具は、構造的でシンプルで美しい。そういったものが好きなので、家具的なかたちでディテールをまとめました。