アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
この建物も妹島さんで「ひたち野リフレ・ひたち野うしく駅駅前利便施設」です。長さが約五十メートル、奥行きが十一、ニメートルある牛久の駅前にできた建物です。
繊細なプロポーションのストラクチャーで、そこにガラスのルーバーが掛かっています。ここでは、単純化し、なおかつ美しくあることを試みています。鉄骨構造で耐火壁になっています。耐火壁、柱、あるいは梁などもプロポーションに収めたいと考えました。地震などに対して適当な剛性、強度を持っている建物です。
天気の状態によって雲が映り込んだり、ガラスのルーバーが変化して美しい表情を見せています。
内部は二階の階高が六メートルぐらい必要だということでした。耐火壁を含めて四十センチのプロポーションで六メートルですから、地震時の層間変形を考えると不可能に近い繊細な骨組みになっていますが、実は耐震的な仕掛けがあって、それが建築的にはどこにも表れていません。ただ柱が立っているだけという構造です。
二階からブリッジをぶら下げたりしています。とにかくオープンなスペースです。駅のほうから列車のデッキを通して、半公共的なスペースになっています。一階はレストランなどが入っていて、四階から上が賃しオフィスになっています。
夜景を見るとわかりますが、両妻面のところと、壁がある三階のレベルまで、六メートルあるわけです。ひょろんとしたプロポーションのフレームをデザインとして見せています。両端の妻面のところに偏心ブレースを使っています。私はわりと好きです。がちがちのプレースではなく「ハ」の字になったような、耐震的に剛性のあるラーメンとブレースです。ブレースとのちょうど真ん中の両義的なシステムが組み込まれています。上はラーメンになっています。そういう耐震的な仕掛けが階高の高いところにも組み込まれていて、地震力などを処理しています。結果的に非常に透明で単純なフレームの空間が生まれてくるわけです。