アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合

東西アスファルト事業協同組合講演録より 私の建築手法

マークアップリンク
トップ
私の建築手法
山本理顕 - システムズ・ストラクチュア
コミュニケーションを誘発するデザイン [東雲集合住宅計画]
2022
2021
2019
2018
2017
2016
2015
2014
2013
2012
2011
2010
2009
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
1989
1988
1987
1986

東西アスファルト事業協同組合講演会

システムズ・ストラクチュア

山本理顕RIKEN YAMAMOTO


«前のページへ最初のページへ次のページへ»
コミュニケーションを誘発するデザイン
東雲集合住宅計画
東雲集合住宅Aブロック外観
東雲集合住宅Aブロック外観

今、東京都江東区の東雲に集合住宅をつくっています。Aブロックをわれわれ、Bプロックを伊東豊雄さん、Cプロックを隈 研吾さん、Dプロックを山設計工房、Eブロックを木下庸子さん、渡辺真理さんの夫婦と高橋晶子さん、高橋寛さんの夫婦によるペア、Fプロックを元倉眞琴さん、山本圭介さん、堀啓二さんのチームが担当しており、全体のコーディネーションを僕がやっています。完成すると二千戸の住宅が実現します。

許容容積率が400バーセントのところに、380パーセント程度の建築を建てようという計画で、今までにない高密度集合住宅になる予定です。日本ではあまり見ることのできない風景だと思いますね。香港や東南アジアのような感じではないでしょうか。すべてのブロックを14階建てとするという決まりはつくりましたが、内側のプランに関してはまったく自由です。都市基盤整備公団側も、アトリエやスタジオ付きの住宅といった今までにはない住宅を求めていますし、4時間日照ということにも一切こだわらないということですので、北側に住戸をつくることも可能です。ですから北側はSOHOのようなオフィスがついた住宅があったり、アネックスといって住宅のほかにもう一室借りられるようなシステムもあります。

住棟をくりぬいたような穴はコモンテラスという公共の場所です。その両側にはfルームと呼ばれるガラス張りの部屋が配置されています。ここはサンルーム、ホビールームとして使えるほか、ショールームやオフィスなどとしても使うことができます。テラスとfルームのつながりが、仕事をしたり商売をしたりすることを可能にするのです。仕事場が廊下に面して並ぶことで、従来の鉄の扉が並ぶ閉鎖的な中廊下とはまったく達う、都市の街路と同じような性格の中廊下になればと思っています。構造は、耐震ダンパー付きの構造壁が部分的に入っていますが、基本的にはラーメン構造です。

55平方メートルの典型的なSOHOタイプの住戸では、間仕切りを一切設けていません。また、窓側にすべて水回りを寄せることで、入口と連続した空間がよりフレキシプルに使えるようにしました。すべてをSOHO機能にすることもできますし、一部をそうすることも可能です。玄関側に水回りをもってきて奥の開口部側にリビングルームをつくるというやり方が従来の方法だと思いますが、それですと住宅以外には使いにくいのではないでしょうか。

東雲集合住宅A街区ユニットプラン 縮尺1/250
東雲集合住宅A街区ユニットプラン 縮尺1/250
«前のページへ最初のページへ次のページへ»