アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
今、東京都江東区の東雲に集合住宅をつくっています。Aブロックをわれわれ、Bプロックを伊東豊雄さん、Cプロックを隈 研吾さん、Dプロックを山設計工房、Eブロックを木下庸子さん、渡辺真理さんの夫婦と高橋晶子さん、高橋寛さんの夫婦によるペア、Fプロックを元倉眞琴さん、山本圭介さん、堀啓二さんのチームが担当しており、全体のコーディネーションを僕がやっています。完成すると二千戸の住宅が実現します。
許容容積率が400バーセントのところに、380パーセント程度の建築を建てようという計画で、今までにない高密度集合住宅になる予定です。日本ではあまり見ることのできない風景だと思いますね。香港や東南アジアのような感じではないでしょうか。すべてのブロックを14階建てとするという決まりはつくりましたが、内側のプランに関してはまったく自由です。都市基盤整備公団側も、アトリエやスタジオ付きの住宅といった今までにはない住宅を求めていますし、4時間日照ということにも一切こだわらないということですので、北側に住戸をつくることも可能です。ですから北側はSOHOのようなオフィスがついた住宅があったり、アネックスといって住宅のほかにもう一室借りられるようなシステムもあります。
住棟をくりぬいたような穴はコモンテラスという公共の場所です。その両側にはfルームと呼ばれるガラス張りの部屋が配置されています。ここはサンルーム、ホビールームとして使えるほか、ショールームやオフィスなどとしても使うことができます。テラスとfルームのつながりが、仕事をしたり商売をしたりすることを可能にするのです。仕事場が廊下に面して並ぶことで、従来の鉄の扉が並ぶ閉鎖的な中廊下とはまったく達う、都市の街路と同じような性格の中廊下になればと思っています。構造は、耐震ダンパー付きの構造壁が部分的に入っていますが、基本的にはラーメン構造です。
55平方メートルの典型的なSOHOタイプの住戸では、間仕切りを一切設けていません。また、窓側にすべて水回りを寄せることで、入口と連続した空間がよりフレキシプルに使えるようにしました。すべてをSOHO機能にすることもできますし、一部をそうすることも可能です。玄関側に水回りをもってきて奥の開口部側にリビングルームをつくるというやり方が従来の方法だと思いますが、それですと住宅以外には使いにくいのではないでしょうか。