アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
ツダ・ジュウイカは大阪の小さな動物医院です。これも「黒/白」の手法でつくりました。ドクターがひとりで運営するということもあり、バックスぺースと、処置室、そして受付や薬局、待合いを最短距離で行き来できるようにしています。具体的には、「黒」と「白」のスペースをそれぞれコの字型にして、それを向かい合わせにして噛み合わせることで、「黒」と「白」の接触面積を大きくしました。
100平方メートルの平屋の建物で、鉄板だけでできています。構造設計は佐藤淳さんにお願いしました。6ミリの鉄板を格子に組んで背板はありません。背板の代わりに水平力を支えているのは奥行40センチの棚で、この門型のフレームで自重と水平力を支えているのです。
こういう構法は日本でないとできません。技術ということを考えるとき、その国で何ができて何ができないのかをちゃんと理解することが必要です。そうでないと的外れなものになってしまいます。カタールでも、計画当初からプレキャストやGRCの工場をいくつも見てまわりました。しかし、家具工事に相当するようなことを、鉄骨屋さんがやってくれるなんて日本だけです。特に鉄の扱いに関して日本は別格です。ですから小さい建物であっても、日本でしかできないことをやろうと考えました。棚でできた「黒」と「白」の空間だけですから、動物医院でなくても何にでもなります。黒色の鉄板のままのほうが、鉄板でつくっていることがわかっていいと思ったのですが、動物用とはいえさすがに医院なので錆が浮いたりするといけないと思い塗装しました。