アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
瀬戸内海の直島に建つ美術館のプロジェクトです。この美術館では、展示する作品を入れ替えたりしません。恒久的にある作品を展示する、建物と作品が永遠に合体している特殊な美術館です。
展示作品はふたつあります。普通の美術館だったら別々に展示することになると思うのですが、それを一室で展示することが求められました。作品のひとつは音をテーマにした作品で、もうひとつは色をテーマにした作品です。そこで建築家には光をテーマに空間をつくることが求められました。いろいろ考えた結果、水滴のような角のない大きな空間をつくることを提案しました。 全体としてはワンルームで、角がないために部屋に入った瞬間は形がよく分からない、無限遠のような空間です。そこに入るための先の部分を小さく尖らせているだけで、高さの低いドーム型をしており、その中にふたつの作品が置かれています。
構造家の佐々木睦朗さんとの共働で、断面は厚みが200ミリぐらいの薄いコンクリート板を考えています。天井高は3.5メートルと低く、水平方向に広がっていくような空間です。室内は暗めで、床の形は分かるけどそれ以外は全体としてよく分からないような形になっています。自然の中に建つ一室空間の美術館です。