アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
スイス・ローザンヌにスイス連邦工科大学ローザンヌ分校(EPFL)という大学があります。ル・コルビュジエの「母の家」が面して建っていることでも有名なレマン湖に近い場所にあります。このキャンパスの前庭にラーニングセンターを建てるという計画です。ラーニングセンターは学生や教職員が利用する公共施設で、図書館、レストラン、カフェ、展示室、多目的ホールなどのコンプレックスです。プログラムをどう並べるかということと、レストランと図書館からのレマン潮への眺望が設計のポイントとなりました。
最初は湖を望むという条件から、五階建ての積み上げ型の建物を考えていましたが、それだとオフィスビルのように各部屋が同じようになってしまい、こういう多種多様なプログラムの集合に合っていないように思いました。そこで、すべてのプログラムがワンルームで、かつ平屋で並んでいるような空間を考えました。また、内部はワンルームでありながらも、大小の光庭を入れることで、各プログラムが独立しながらも空間的には連続しているような構成を考えました。
大小のいろいろなプログラムが連続しています。ただ連続していくワンルームの提案だけでは湖が見えないので、建物の一部を空中に浮かし高低差をつけることを考えました。浮いた部分にレストランや図書室ができます。山や谷のようになって等高線が生まれ、いろいろな地形が生まれます。図書室は手前の床が下がっているために湖が見えてきます。 建物はワンルームで連続しているために、規模は大きいものになります。エントランスホールを建物の真ん中に配しました。通常はエントランスを真ん中にすることはできないのですが、浮いているのでピロティ下からくぐって最初に真ん中にアプローチすることができます。
床と天井が二枚のレイヤーとしてブリッジ状に平行に伸びて上がり、また下がるという形状です。そのため建物の床の下に屋外空間が生まれると共に、中庭が中庭ではなくなって孔になるわけです。人の活動があたかも二階にいる人のような感じで見えます。
全体が上がったり下がったりする建物で、室内は斜面だったり、階段になる場所もあります。床と屋根の二枚のレイヤーが平行にカーブしていくので、向こう側が見えなくなったり、手前に建物がありながらも中庭によって向こう側が見えたりと、いろいろな空間の関係や形がつくられることになります。 現在は実施設計に入ったところで、2006年に着工予定です。