アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
「代官山蔦屋書店」外観
「代官山蔦屋書店」既存のケヤキを生かした建物配置としている
「ヒルサイドテラス」の隣に「代官山蔦屋書店(2011年)」という大きなブックストアができました。この敷地には非常に大きな木が残されていたので、計画段階でわれわれは是非この木を残してくださいということをお願いしました。その結果、クライン・ダイサム・アーキテクツの案が採用されることになりました。建物は通りから少し下がっており、「ヒルサイドテラス」とは違った面白い外部空間ができました。人びとのちょっとした憩いのスペースをつくって、そこでご飯を食べたり、休憩することができます。都市のよさとは、ちょっとした工夫で人びとのためのオープンスペースがつくられているというようなところに現れてくると考えています。「代官山蔦屋書店」には非常に多くの人が訪れて賑わっており、「ヒルサイドテラス」が「静」の空間だとすると、「代官山蔦屋書店」は「動」の空間です。私も時どき遊びに行っています。
「ヒルサイドウエスト」A棟西側外観
その500メートルくらい北西側の、同じく朝倉不動産の土地に「ヒルサイドウエスト(1998年)」をつくりました。敷地は旧山手通りと一本裏手の閑静な住宅街の道路に跨っており、ふたつの通りには5.5メートルのレベル差があります。そこで建物の間にふたつの通りを結ぶ半公共的な通り抜け空間を設けました。「ヒルサイドウエスト」のパサージュは 朝7時から夜10時まで開いています。この建物のA棟、B棟には、さまざまに人が住んだり働いたりしています。ニューヨークのような場所では、知らない人が自分たちの建物の下を通り抜けていくことは、安全上できません。ところが日本では、20数年間こういうパサージュをつくって誰でも通り抜けできるようにしていますが、1度も問題が起きたことがありません。それだけ東京という場所が安全で、われわれはその安全というものを中心に都市を考えられるということです。「ヒルサイドウエスト」は、そういうひとつの試みでした。今でも多くの人が建物の下を通り抜けます。大きな道に面したプラザではありませんが、少し奥まっていれば人びとはそちらへ導かれていくということが分かりました。
「ヒルサイドウエスト」A棟パサージュと中庭