アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
外観
カナダのトロント郊外につくった「アガ・カーン ミュージアム(2014年)」です。コレクションを所有するアガ・カーン氏は、イスラム教のイズマイリ派の教祖です。2015年に亡くなったインドの建築家のチャールズ・コレア(1930〜2015年)がつくった「イズマイリ・センター(2014年)」の計画の指揮もとられました。「アガ・カーン ミュージアム」では、光のさまざまな作用がつくり出す美しさと神秘性を持った空間を目指しました。そこで外装は、光の陰影をはっきり映し出すために、2年かけて探したブラジル産のマルガリータを採用し、表面をサンドブラスト仕上げとし白さを増しました。設計に際して、アガ・カーン氏から5ページの手紙をもらいました。彼は手紙の中で「外形はあなたの好きなようにしていいけれど、中はイスラムの雰囲気がある場所にしてほしい」と要望されました。そこで建物の真ん中に設けたコートヤードの床やそれを囲むガラスにイスラムの幾何学模様をモチーフとしたパターンを施しました。このコートヤードではパフォーマンスや屋外エキシビションなどさまざまな催しが行われていますが、特に面白いのは、時どき結婚式を行っているところです。イスラムでは、モスクを結婚式で使ってはいけないという規則がありますが、ここはモスクではないので、イスラム的な空間の中で結婚式を行うことができます。やはり建築というのは人びとに楽しんでもらわなければなりません。パブリックな建築ならばなおさらです。この建物は2層ですが、コートヤードの他にも、その周りのギャラリー、ホワイエ、レストラン、子どもの教室などさまざまな場所があります。
コートヤード
オーディトリウム
1階展示室
ロビー
螺旋階段
2階平面
1階平面
断面