アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
横浜市中区にホールとオフィスが複合した「横浜アイランドタワー(共同設計:都市基盤整備公団、2003年)」をつくりました。当時ここには「旧第一銀行横浜支店(1929年)」がありましたが、大きな道路をつくることになって壊さなければならなくなりました。そこで既存建物の一部を曳家し、残りの部分は当時の図面を元に復元しました。したがって、昨今よく見られる、ファサードだけ残して上部に新しい建物をつくるという方法とは異なり、「横浜アイランドタワー」は建物全体を保存した珍しいケースだと言えます。保存した「旧第一銀行横浜支店」は横浜市が管理しています。かつて銀行の窓口だったところは、手を入れることによってちょっとしたギャラリーになりました。移動した「旧第一銀行横浜支店」の後ろに高層の「横浜アイランドタワー」をつくり、今はその後ろに「横浜新市庁舎(共同設計:竹中工務店、2020年)」をつくっています。ふたつの建物の間に広場をつくりました。また「横浜新市庁舎」の議会棟と大岡川の間にも緑の広場をつくっています。1階のロビーは地下鉄や地下広場と直接エスカレータで接続しています。こうして元々銀行があった場所は地域のコミュニティセンターのような場所に変貌しました。これからの時代に都市を考える上では、どうすればパブリックなスペースが豊かになるのかということを考えなければいけません。
「横浜アイランドタワー」東側全景
「旧第一銀行横浜支店」移築保存部分
ギャラリー
3階平面
1階平面
断面