アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
これはギャラリー・間に出したモデルの写真です。これは強羅花壇、これがSEAプロジェクトといっています三浦半島に計画していますマリーナに付属するホテルとクラブハウスのプロジェクトです。これが120メートルの大列柱廊です。こういうコリドーの場所を超領域と名付けていますが、これはわかりやすくいうと機能がはっきりしなくて基本的にはただで入れる場所というようなことです。これはリゾートですから意図が伝わりにくい面があるのですが、僕は都市の場合はただで入れる場所が多ければ多いほど面白いと思ってまして、しかもそこがきれいに整頓された公開空地みたいなものではなくて、なんとなく拒否されそうになりながら入っていくと何かおもしろいものがあるというような格好が都市ではいいんじゃないかと。 D-HOTELでは1階にギャラリーをとっていますし、OXYでも1階は本来ギャラリーでしたが今は喫茶店になっていますが、1階をオープンにしたいと思っています。都市では土地が高いですからなかなかそれは難しいですが、リゾートでは特に規模が大きいとそれが都市的なスケールになってきて、非常にうまいこと解けていきます。こういった計画のときに考えていますのがただで入れるパブリックな場所をどのように造形するかということで、今までホテルだったら宴会場とか客室とか金を生む場所は一生懸命つくってあるけれど、後は気の利いた格好がついていればいいみたいな感じがあったと思います。僕はルイス・カーンが好きで彼のこういう言葉に出会ったときにすごいショックを受けました。「コリドーをギャラリーと読み替えたまえ、そこには光が訪れ風が渡る。エントランスをホールと読み替えたまえ。バジェット予算というのも真の意味での経済性と読み替えたまえ、それが建築家の仕事である」。結局たとえばコンペならコンペの応募要綱に沿って、それをそのままつくっていくと単に組み立てパズルがうまくできましたっていう感じがするんですが、普通のプロジェクトでもクライアントが要求した以外のことを提案したいといつも思っています。この強羅花壇においてもSEAプロジェクトにおいても勝負は何回もお客さんが来てくれることだ。そのためには何が必要かといえばやはり記憶に残るようなスペースをつくってやらないといかんのではないか。記憶に残るようなスペースということで提案したのがこの120メートルの大列柱廊であり100メートルのコリドーであるわけですけれども、ただこういったものを介して基本的にはやはり他社に敏感な建築を考えたいと思っています。たとえばこれは海がありまして、光が抜けていく風が抜けていく、視線が抜けていくということをどの場所にいても感じられます。
コンパクトにまとまっていてもどてらを着たような、気分的に風通しのよくない建築というのは短期的にはなかなか便利でも精神を萎縮させるんやないかなと。長い目でみたら創造力を抑圧するような予感がありまして、いろいろな目論見を込めながら演出をして他社に敏感な風通しのよいスペースをつくり出したいと思っています。基本的には旅館でもホテルでも部屋に入ったことでお金を払うわけですが、みんなが一番印象に残るのはやはりパブリックなゾーンであると考えていまして、このパブリックなゾーンにどういう光を与えるかが一番の勝負やないかなと。もっと悪意に充ちたいいかたをしますとレストラン、ラウンジ、バンケットルームもいろいろプログラムが変わってきますから、将来何になるかわからない、いろいろ不確定な要素があるわけで機能がある場所というのは基本的にはヤバイ、明日は何になるか分からないから機能のない場所もちゃんとつくっておこうということがあります。機能のある場所というのを領域とよんでいまして、領域を越えていく部分、領域と領域をつないで関係させる部分、関係の場所という意味で「超領域」とこういう場所を呼んでいます。空間として僕がこういう列柱や断片的な壁が好きなのは、たとえばパチンコ玉をジャラジャラと入れたとき、チンチンチンチン、タカタカタカタカ、ジャラン、とこういうふうな感じになるようなのが一番ええプランニングやと思っている。どこかでボトッと溜ると何か疑惑があるちゃうかなという感じがしてくるし、何か風通しが悪いんとちゃうかな。何か砂時計とかすうっと流れていくような空間というのが一番爽やかやろうなと思っていまして、それで列柱です。列柱は光とか風とかにさまざまに反応しますし、ブリッジとか階段とかいった関係させる要素をうまく使って風通しのいい建築をつくっていければいいなと思っています。