アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
今日は、大接戦の阪神・ヤクルト戦にもかかわらず、こんなに大勢の皆さんに来ていただいてどうもありがとうございます。ついでに申し上げますと、私は横浜出身で、永遠に報われることのない大洋ファンなので、ほとんど関心はないのですが、建築界では槙文彦さんをはじめとして、阪神ファンの方が結構おられるようです。大体、阪神ファンはマゾヒストであるというのが私の師である原広司さんの持論です。ところが、そんなマゾヒストであるはずの阪神ファンがときどきサディスティックになれる年があるのが羨ましくもあるのですが…。
今日は「フィクショナルな都市からインタラクティブな都市へ」というわかりにくいタイトルですが、それを私の作品と、私が興味を持っている過去の建築を引用しながらご説明したいと思います。それで、少しでも私の論理をわかっていただければと思っています。そこで興味を持っていただけたならば、さらには私の本をよんでいただきたいと思います。というのは、私はしゃべることより文章を書くほうが好きなんです。これも原広司さんのおっしゃっていることなんですが「だいたい文章のうまい人というのは、しゃべれない欲求不満を文章に書く。うまくしゃべれる人は本なんか書かないんだ」ということで、原先生もどちらかというとあまりしゃべるのはうまくないんですね。そんなこともあって、今日は私の書いた本を会場に持ってきております。
一つは「10宅論」で、これは私が1985年から86年にかけてニューヨークのコロンビア大学の客員研究員をしていたときに書いた本です。
日本にいると近すぎて客観的に見ることができない状況も海外にいると客観的に見えるということで、日本の住宅のことを冷静に客観的に見ることができた本だと思います。
もう一つは、これもニューヨークにいるとき書いた本で「グッドバイ・ポストモダン」です。私がニューヨークにいた時期、アメリカはバブルの頂点にあって、景気も非常によくて、KPFとかヘルムート・ヤーンといった建築家が次々と作品をつくっていました。そんな建築家をインタビューして回りました。ところが、インタビューしながら「こんな時代は長くは続かないんじゃないか」という気がしていました。それでポストモダンはいつかグッドバイする日がくるんじゃないだろうか、ということで書いた本です。 三冊目は出版し始めたばかりの「建築リフル」というシリーズの本です。これは他の建築家の作品を特集形態で取り上げているもので、写真家の藤塚光政さんと組んでまとめております。
今日の私の話に少しでも興味を持っていただけたならば、是非これらの本を読んでいただきたいと思います。