アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
ご紹介にあずかりました、毛綱です。大阪での講演は十数年ぶりです。防水屋さんのご後援で講演させていただくということで、ひょっとすると僕の雨漏りに対する厭味かなぁなんて心配していたところ、若い人たちの純粋な眼が水も漏らさぬ情熱でたくさん集まっている講演会なので安心しました。
スライドを映しながら進めて行きたいと思います。
前半は地球上に散在する奇っ怪な建物についての説明です。
今回の講演のテーマの〈地球〉ですが、これは必ずしも〈環境〉というのではなく、〈観念的な地球〉とか、〈宇宙像〉というようなことでして、僕の建築も自分でつらつら考えてみますと、そういうかたちの地球像があります。
この写真は、アルゼンチンのあるカフェで撮ったものです。ホルヘ・ルイス・ボルヘスという目の不自由な作家が、このカフェの入口の近くで、奥さんに新聞を読んでもらいながら、ドアが開き友達が入ってくるのを待って過ごしたということです。彼の頭の中には、古今東西のあらゆる文献・文学・神話・伝説がつまっていて、非常に不思議な世界を紡いでいったという、そういうところに共感するところがありまして、ボルヘスの真似をして同じ場所で覗いているところです。