アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
「石川県能登島ガラス美術館」です。この計画には〈四神相応〉が入っています。いろいろある大地のコンセプトの中の一つです。長安でも京都でも奈良でも四神相応の形をとって、背中に玄武、南に朱雀、東は青竜、西は白虎という四つのブロックになっています。しかし、このガラス美術館では北側を向いて反転しています。つまり、斜塔を玄武、池を朱雀、ミュージアムショップを白虎、オブジェを青竜として配置しています。これはガラスの世界なので、人間の世界とは違っているということで反転させていますが、反転した四神相応のコンセプトは、札幌も持っているんですね。札幌は裏京都といって、比叡山が反転し、川が逆流する形になっています。
それからもう一つ。海から陸に人間が上がって、また空に行くという仕掛けになっています。山を見ながらずっと上がって行き、床の下がった不思議なトンネルを通ります。帰りは階段を降りますと窓ガラスがあり、そこからパッと海が見える形になっています。ずーっと進んで行って最終的にハッと開放される。意識の上で一つのドラマをつくっているわけです。この斜めの床などの仕掛けによって、異界—ガラスの世界—にもっていく感じです。
最近やりました「にしわき経緯度地球科学館」です。近くに磯崎新氏の設計した横尾忠則さんの作品を収録している「西脇市岡之山美術館」があります。
カメラマンの藤塚光政さんと二人でジャイプールの天文台へ行ったときのことですが、なぜか二人ともUFOの夢を毎日見るんです。彼のはUFOが「昔は戦争ばかりしていたけれども、この頃後悔して平和のために働いているのだ」とか、「収縮自在なのだ」とか語る夢。僕の夢にも毎日でてきました。その一つに、新聞の号外で「一九九四年か一九九六年に突然UFOが空から正体を現す。最初の出現場所は西脇市」という記事を見ている夢です。
このプロジェクトの協力者であるUFOの研究家と言いましょうか、横尾忠則さんが、ときどき封筒の中からマンダラのようなスケッチを出して「毛綱君、実はUFOからのメッセージで、こういうパターンでここに三角形を置いて欲しいと言っているのだが—」と説明したり。
そんなこともありまして、非常にマンダラ的な形の建物になっています。
古今東西にあるいろいろな天文建築のパーツを組み立てています。これは、横尾さんがデザインした十二星座の柱です。淡路島の巨大な鳥居をデザインしたパトリック・ベルジェ氏も協力しています。氏はこのプロジェクトで小さなオブジェをつくっていますが、それが大変面白いんです。日本の建築儀礼のように正方形に区切って四本の柱を立てた、非常にシンプルなそのオブジェは、むしろわれわれより神道的なデザインなのでビックリしています。
機能的なことでは、アプローチをずうっと行くこの曲線が向こうの山の尾根の間にスポッと乗っかるような感じになっています。これは展示棟内部です。映像棟・展示棟・天文台棟という大きなブロックに分かれています。
これは来年の春、着工する「たまなミュージアム」です。向こう側に円形に十六の穴が開いて、こちら側には十六本の柱が立っています。夜になると八本の光の柱が立ちます。円盤の下は円形の展示場になって中に抽象的な船が入っています。
この前、知り合いに頼まれまして「月の神殿」というプロジェクトをやりました。重力がないことは大地の制約がないことですから、そのイメージをどのように表現しようかと考えました。このようにオブジェが浮き上がって地球から見ると、光の柱が立ち上がるプランです。重力がないというのは考えるとなかなか難しいものですね.
最後に、うちの事務所の神様です。日本で言いますところの?市杵島姫・湍津姫・田心姫?という女神なんですが、この女神は記憶・芸術を司ると同時に、都市の中心軸の役割も果たします。そんなことより都市計画などをどんどんしたいという重いがありまして、家の守神にしています。