アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
寮をつくったときは、動線をはっきりさせず、それぞれが好きなように動き回れるようなプランをつくりました。内は結構それはそれで楽しいのですが、外からそれについてはあまり認識されないと思い、その次につくったパチンコ屋さんでは、もう少し人の動くところをはじめから計画の中に積極的に入れて、視覚化しようと考えました。外から見た人にも、扉の前の階段を上がっていることがわかるような、なにか接点がもてるような建物を考えました。
四角い敷地ではありません。裏通りと表通りをつないで敷地を拡張して、もとからあるパチンコ屋さんを新しく建て直す仕事でした。コンペで提案したのは、敷地に接する三本の道から入ってきて、すぐ出口がわかる建物で、真ん中にパチンコをする場を取り、残った場にオフィスや機械室や倉庫などを割り振って、バチンコスペース300平米の上に貸しスペースをつくるものです。その賃しスペースはパチンコとは関係ないので、直通階段で上がっていけるようになっています。内の構成がそのまま外に見える構成自体がネオンの代わりで看板になります。
敷地に隣接するそれぞれの道に高低差があるので、平らに人れる入口もあれば、1.2メートルぐらい上がっていて、腰ぐらいの高さに床があり、そこから潜っていくように入っていくところもあります。歩くという動作をする場をプランなりボリュームなりに示し、それがかたちとして外からも見えてくるようにしました。
天井と壁にアクリルミラーという材料を使っています。一本の階段が増幅して映ります。バチンコ屋さんで要求される装飾の代わりにこういう方法をとりました。
先ほどと同じ施主に頼まれた二件目のパチンコ店です。動線を固定する、つまり歩くところが限定されるのは窮屈かと感じて、今度はもう少し動き回るスペースと使うスペースを一体化できないかと考えてつくりました。
前からある店にエントランスホールをつける仕事だったことから、よりそういうことは実現しやすかったです。古い店の回りが駐車場になっていて、前面に増築してイメージを変えたいということでした。既存の店舖の両側に柱を二本ずつ建て、そこからキャンティレバーで四メートルほどの庇のようなものを道路の境界まで出し、その部分が古い店のイメージを変える役割を果たします。そこは、外に対してショールームのような場でもあるし、エントランスホールでもあるし、体憩所でもあるわけです。
同じ施主の三件目のパチンコ店です。前作の I 、II より時間的にあとにつくったものです。施主の方から、I も II も非常にガラスが多く、中の様子がよく見えるパチンコ店ということで気に入っているけれども、今度も明るくはしたいけれどもなんとかガラスの量を滅らせないかという要求がありました。細いスリットで光が全体的に入り、かつガラスの量としては圧倒的に滅る方法でつくっています。
I は市内でしたし、II は増築でした。これは郊外に新しいパチンコ店をつくる仕事でしたから、どんなかたちにつくることも可能だったんですが、一般的なパチンコ屋さんらしいかたちと平面をそのまま使ってつくろうと思いました。隣接している道が曲がっていたので、それに合わせて少し曲げています。ゲームをする場があって、オフィスがあって、景品交換する場があるという普通の平面をそのまま使っていますが、スラブだけを少し曲げて、一階にあるオフィスとゲームをする場所をスラブによって分けています。そして二階の休憩所がゲームをするホールとつながるようにしました。スラブがどんどん上がってくるその下にオフィスが入っているという構成になっています。