アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
大きなスタジオがあり、小さなアトリエがあり、サロンとユーティリティと、金工木工室などが入っている建物です。委員会にはいろいろな考え方の人がいらして、ワンルームにして、製作する場も展示する場もワークショップする場もみんないっしょでいいという人もいれば、また別の意見の人もいました。話し合いを進めていくうちに、最終的にはなんのために何平米の部屋というのを原案のまま取っていくことになりました。
5メートルほどの天井高が必要な部屋をつくらなければならなかったのですが、それをそのまま地上に出すとあまりに建築がじやまではないかと思い、ある程度校庭になじんだものにするため、全部埋めてしまう案をつくりましたが、ランドスケープだけで建築をつくるというのにも抵抗があり、どこかで建築は建築で独立したく、その中間みたいなものを迷いながらつくりました。三方は校庭から3.5メートル高さにあたるのですが、一片のみ校庭にずっと降りてきて、校庭のほうも1メートルぐらい上げて、校庭と建物の屋根が接続するようにしました。ですから、建物の上は校庭の中にある人工的な広場でもあり、エントランスでもあるわけです。そこでは、授業もできますし、屋外展示もできます。地域の人たちのイベント広場としても使えます。アーティストがイメージを映写できるようなスクリーンもあります。
そこから建物の中に入っていくための階段を二カ所設けています。階段を降りていくと、校庭より1.8メートル下の回廊に出ます。この回廊を歩いている人の姿は校庭からは見えません。すべての部屋が5メートルの高さの扉でカバーされていますから、校庭からは扉が開閉するのだけが見えます。回廊を歩いている人には空や木が見えます。そして、部屋に入ったり、回廊を歩いているうちに、また屋上に戻ってしまうような迷路的なプランです。
展示にしても製作にしても、人によって意見はさまざまで、どこにでも展示できるようにしようと思い、展示空間として回廊も使えるように白い仕上げにしています。
光庭は、屏を開けるとトラックも入れるようになっています。