アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
今日は「近作を語る」ということで、私の九十年代以降のプロジェクト、とりわけ現在進行中のプロジェクトを中心にしてお話をさせていただこうと思っています。
特にテーマを決めているわけではありませんが、「バーチュアリティ」ということばがキーワードになるかもしれません。バーチュアリティというと、バーチュアル・リアリティというようなことばで、何か頭で描いたことといいますか、まさしくことばどおりにリアリティのない話に思われるかもしれませんが、私にとってはこれからの建築をつくっていく上で非常に大切なことばです。
今まで建築家は、「心」とか「優しさ」とか、そういった日本的なことばが最後には建築をつくるカギになるといってきたわけですが、私にとっては、その「バーチュアル」ということばが「もう一つの心」といいますか、これからの建築をつくっていく上での精神的な支えになるようなものではないかと感じています。それぐらいわれわれの精神を含めた身体が変わっているのではないでしょうか。
そんなことを頭に置きながら、これからさっそく作品の説明をしていこうと思います。最初に一つだけ私の古いプロジェクトから紹介したいと思います。