アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
ルイ・ヴィトンからは、表参道の店舗をやっている間に、ニューヨーク店の外装も依頼されました。五番街と58丁目の角地でニューヨークでも重要な交差点にある建物の改装で、クロスアンドクロスによる1930年竣工の建物です。こういうかたちの建物はニューヨークにはたくさんあります。当時、ニューヨークにはゾーニング法というセットバックせざるを得ない法律があって、どういうスカイスタレーパーにするかということが話題になっていました。その頃、ヒュー・フェリスという人がいて、この人はスカイスクレイパーを水晶みたいな結晶の固まりや険しい山のようにドローイングで描いていたんですが、多くの建築がこのドローイングをなぞるようにつくられました。しかし、実際にできた建物はドローイングとは違うものでした。窓があるからやはり水晶ではなく、明らかに建物なのです。
それを今回はまったく水晶としてつくろうとしました。じゃあ、窓がないものかというとそうではなくて、窓も設けて、その透明な部分と半透明な部分の違いがグラデーションで変わっていくようにしました。実際にこの建物の外装で改装できた部分は限られています。たまたまこの建物は、以前ワーナーズブラザーズが所有しており、店舗にするために外壁の一部を安っぽいカーテンウォールに改装したため、そこも今回変えざるを得なかったことが多くの部分に手を加えることができた要因です。うまくやればこれも水晶でその後ろ側も水晶で束のように見せることがうまくできるように思います。2004年2月に竣工予定です。