アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
アメリカのオハイオ州にトレドという街があります。トレドに既存のトレド美術館があります。トレドはもともとはガラス建材の工場で有名になった街です。それに関係しているのかわかりませんが、トレド美術館は小きい壺とか大きい装飾的なシャンデリアなどガラスアートのコレクションで有名な美術館です。古代エジプト時代の小さいガラスの壺から現代ガラスアートまでの幅広いラインナップを誇っています。
その彼らがガラスアート専用のパビリオンをガラスでつくりたいと考えました。ガラスでつくるというのは展示するものがガラスということもありますが、ガラス建材であれば安く提供されるというのもあってガラスパビリオンと呼ばれるようになりました。
美術館の周りに駐車場がいくつかあるのですが、目の前にモンロー・ストリートというのがあって、その先に非常に美しい並木の緑地があり、その裏に駐車場があります。僕らは駐車場をつぶして緑を拡張して公園にし、その公園の真ん中に建つパビリオンはどうかと提案しました。それは、ひとつには緑が非常にきれいだったのでそれを残したいと考えたからでした。この建物は、美術館というよりも公民館的な性格があって、地元の住民がきてディナーをしたり、ダンスパーティをしたりというような公民館的な性格、人びとのものというようなのがありました。それもあって公園の中に建つ開かれた建物というふうにしようと考えたわけです。
木は高く伸びて、枝振りが非常に美しいので建物はなるべく低く水平にしました。美術館はバックヤード部分が巨大なので、収蔵庫などは地下に入れることで地上をすべて開放的にした空間にしています。そういうわけで裏側の住宅地からも表の美術館側からもアプローチできるようにしています。
これは模型写真です。基本設計で最初に案を提示した時につくったものです。ここでのアイデアは、ひとつの機能ごとにシャボン玉みたいなカーブを一筆描きでグルッと描くというものです。たとえば、多目的室はグルッと透明ガラスで囲んでいます。
美術館の横に駐車場があり、そちらが公園から入るエントランスになっています。この住宅地側からのエントランスと、表のモンロー・ストリート側のエントランスというのは離れていますけれど、機能としてはひとつということで、半ば強引にカーブでつないでいます。四角にすると空間が分節されたりしますので、カーブによって強引に流動的な感じで連続させています。
ホットショップ(工房)は二部屋ほしいと要求されました。ホットショップというのは、炉があって、原料を溶かしてガラスをフーッと吹いてつくっていく過程を見せるところです。一部屋は展示室側に向いて、もう一部屋は通り側に向いています。やはり同じ用途なので、グルッと囲んでいます。要するにグルッとした一筆描きでいろんな空間をつくりたいということです。カフェもグルッと一周小さく囲んでいます。