アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
「ニューミュージアム」という、ニューヨークのマンハッタンに建つものです。
敷地が延床面積に比べて小さいので「トレド美術館ガラスパビリオン」と違って積んでいくというものです。ただ、積む時にずらすことでニューヨークの特殊な形態規制をかわしながら、各部屋違った寸法の部屋をつくっていくというアイデアです。また、ずらすことでギャップが生まれます。このギャップ空間は、階によってはトップライトだったりもしくはテラスだったり、ニューヨークの上空で外に出られるテラスみたいな、超高層ビルですけど上のほうに人が出ているのが見えるというような、そういうビルはどうだろうかと思ってつくりました。
外装に不透明なアルミのメッシュを張る二重レイヤー外装を考えました。これは地方の工場でつくった原寸大の模型です。アメリカの人は実物がどうなるのか、事前チェックをすごくしたがるので、原寸大の模型をつくるのです。
建物はバウアリーという通りに建ちます。ニューヨークらしい、うなぎの寝床状の長屋的な、昔のニューヨークのような非常にラフな雰囲気のある通りですね。
これは展示室の写真です。いろいろな高さの天井高の部屋が積み上げられていって、どんどん上に上がっていくというものですね。外装の写真です。ルーフィングの上にパネルを張っています。その上にエキスパンドメタルをちょっと浮かせて張ることで、輪郭が曖昧な外観になっていきます。これはまず裏から張りはじめているところです。徐々に張っていって、窓のあるところも壁部分も全部張っていきます。
開放的な美術館をつくるといっても、ニューヨークですからセキュリティが大きな問題となります。なるべく開放的なものにしたいということで、一階は外からよく見える透明なものになっています。一階はパブリックゾーンで、一般の本屋と一緒で人がきて買い物できる本屋があって、その奥に喫茶店があって、その奥に展示室があるというものです。
これは上の階です。バウアリー通りは厨房器具の工場があったり、古い家具屋があったり、いろいろな店があるような通りで非常にラフな活気に満ちています。そこでラフなニューヨークの通りに現代美術館がくるという魅力を考えて、ストラクチャーが見えるような、ラフな室内を目指しました。街の雰囲気や美術館のスタイルに合っているのではないかと思って、梁や天井、照明を露出するようにしました。
各階は細い階段でつながれています。徐々に上がっていくと、周りの風景をテラスに出て見ることができるという、上に上がっていくタイプの美術館です。
これは目の前のプリンスストリートから見た風景です。いろいろな大きさの展示室がどんどん積まれて斜線をよけたりしながらひとつの形をつくっていくようなものですね。