アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
妹島「環境」というのは、空間的なことだけでなく、時間の積み重ねと空間的なことの、両方があると思います。その両方に繋がっていけるような場所、人びとに使われることでその先に繋がっていくような場所を、どうやってつくれるか。そのための建築の置き方や大きさなどはどういったものなのか、今いちばん試行錯誤をしていることです。
最初にお話した「ROLEX ラーニング センター」は、周りに溶け込ませようとしましたが、置いてみるとやはり力強く、思いのほか存在感があって、自然に緑が繋がってくるような感じにならなかったのです。あれは10年ほど前に設計を始めた古いプロジェクトですが、その後、「犬島『家プロジェクト』」や「ルーヴル・ランス」などを経て、その場所その場所にそれぞれの時間が流れていて、材料やつくり方などその場所の個性が積み重ねられていることをより意識するようになりました。また、人間はそういうものを体で感じる力を持っていると思うようになりました。そうした時間と使い方との繋がりを考えられれば、環境に合った建物をつくっていけると思っています。
これで今日の話は終わりです。どうもありがとうございました。