アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
「神のかたちとは何か」というと「プライマリーである」ことが大事なんですね。今から十六年ほど前にインドに行ったときに、『タントリズム』という本を買いました。セックスの四十八手を解説した本です。これはその中にある四十八手目のスタイルで「輪廻のスタイル」です。[2]。四十七手目のスタイルは、男と女が合掌して「いい子ができますように」と拝みながらセックスしています。四十八手目のこれは正方形のセックスのスタイルなんですね。次の頁をめくると四十九手目として、正方形と真円と正三角形が出てきました。[3]。そしてそこには「神」と書いてあるだけで何にも説明書きがないんです。長い間この謎は解けなかったんですが、最近この意味が解けたんです。非常にに嬉しくてねぇ…。宗教思想なんですが、人が亡くなると[七×七=]四十九日のお参りをしますね。つまり、四十九手目なんです。死んで四十九日目にお坊さんにお参りしてもらいます。そのあと永代供養ということになりますね。神に戻すということなんです。あるいは土に戻るということ。プライマリー原点に戻るということになります。人間がこの世からあの世に行き、輪廻転生で生まれ変わって一旦ゼロになる、そのゼロになるプライマリーな形というのが、正方形と真円と正三角形ですよということを教えているんです。
皆さんがデザインをするときに、ある神秘性とか秩序とか知的なものとか、透明感といったものを空間に表現したいとき、例えば壁の目地とか床の目地といったものが真円か正方形か正三角形でないといけないんです。それ以外ないわけですから。それが空間に影響していって、空間がある神秘性を反映してくるわけですね。それ以外として、ちょっとタテ長が好きとか、ヨコ長が好きといったことは、個性なんです。
個性の優れた人が天才になるのであって、下手クソが潰していくと不細工になる。それなら、何もしない。水のような空気のような無機的なものは、正方形と真円と正三角形が持っています。
私の事務所は製図室の入口に三角形の小窓が切ってあるんです。この三角が下を向いているときは女性を意味しているんです。つまり子宮なんです。ヒンドゥーでは子宮は宇宙の子宮です。ここから音楽も文学も五穀豊穣も皆生まれてくる。もう少し説明するならば、天地創造ということです。創造性につながっていくんです。私の製図室の入口に並んでいる三角のうち、一番上の三角だけはこの中に小さく上向きの三角が入っています。三角は上を向くと男性なんです。重なり合って星形になるとセックスを意味します。何かが込められたということ。私のアトリエは創造の子宮ということです。