アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
スタディのため、レゴのような25分の1のモデルを開発しました。磁石がついていて容易に組み立てられるので、スタディがとても簡単です。また、これを使うことで、町の人たちにわかりやすく説明することができました。どのように建築が出来上がっていくのか、どのようなかたちにすると何が有利なのかという検討に、このモデルを使うと一般の人が参加しやすいのです。とても密度の濃いワークショップが可能になりました。
地元のお祭りの時に、邑楽町の子どもたちと、町役場をつくるというワークショップをしました。最初にほんの少し手ほどきをするだけで、彼らは上手につくっていきます。
コンペの際に提案したのは、かたちというよりシステムです。敷地は、すでに開発が進められていた半円形の公共建築用地でしたので、その特殊な敷地形状に制約を受けないシステムが必要と考えました。ですからコンペの段階に提案したプランは、みんなで考えるきっかけのようなもので、住民の人たちと一緒にそれを自由に変えていくことが可能です。
町の人たち約40人でつくる建設委員会があるのですが、それを多目的ホールのための分科会、議会のための分科会など五つの分科会に分けて、週一回くらいのペースで会合をもっています。
今まで私たちは、行政側の人たちだけと話して公共建築をつくってきました。行政側の人たちだけと話をするということは、行政側と私たちで住民を想定しなければなりません。しかし、行政の人たちが考える住民と私たちが考える住民との間には大きな落差があるのです。
でも、ここでは住民が直接参加していますので、すべてにわたって住民の人たち、最終ユーザーと直接話ができます。彼らとはさまざまな話をしますが、そこにあるのは切実な問題です。カウンターがあって向こうに行政がいる従来の役場スタイルはおかしいといった意見も出て、カフェと一体になっていて、カフェだか役場だかよくわからない役場にしましょう、という計画が進行中です。議会にしても、町民から見えないのはおかしいからガラス張りにした方がいいと。公園の中に議会棟があって、中は円形のテーブルになっている。そのまわりには町民が見ることができるような場所がある、そんな空間が今、できようとしているのです。
行政側の人たちだけと話していても絶対にこうはなりません。町の人たちが参加するから、こういうことができるのです。もちろん、行政側も議会の人たちも参加していますが、そこで、多くの人たちが話をするから非常にクリアです。公開されることがいかに重要かを感じています。