アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
次に、2011年の東日本大震災の復興関係でずっと続けている活動をご紹介したいと思います。震災直後に、僕と同じくらいの世代の建築家同士で連絡を取り合い、この未曾有の災害に対して建築家はいったい何ができるのか、ということについてたくさんの意見を交わしました。その後、東北を中心に活動する建築家が核となって、その年の7月にArchi+Aidというボランタリーな組織が立ち上がりました。たくさんの建築家が賛同していて、僕自身は今は実行委員として活動しています。ただ、Archi+Aidの活動は、元もと5年で終了するという想定だったので、これまでの活動をどうまとめるかという段階にきています。
Archi+Aidには3つの活動目標があります。ひとつ目は、建築家が被災地に対して何か提案する際、なるべくネットワークを活用しながら行おうということです。つまり、いろいろな情報を建築家サイドで共有をして、過剰に自治体に負担をかけないようにするのです。とかく災害が起こると建築家はそれぞれにすぐ自分のアイデアを被災地へ持参し、こんなことをやりましょうと提案しがちですが、そういうことはなるべくせずに、お互いに情報共有しながら、その中で自分ができることは何なのかをちゃんと見極めていくということです。ふたつ目は、今回の震災から学ぶことは山のようにあり、それらを今後の建築界に生かすためにきっちりと教育にフィードバックしようということです。さらに三つ目は、実際に行ってきたさまざまな活動を、後世にちゃんと伝えていくための情報蓄積です。そういった目標を土台にして、これまでたくさんの建築家がさまざまな活動を行ってきました。