アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
これが大武道場のホールですが、模型と不思議なことにほぼ変わらずできてしまったという印象があります。天井はほとんど真っ白です。高い側から白からグレーに変化して、だんだんグレーが濃くなって、壁のコンクリート打ち放しと同化するくらいの濃さに落としてきています。で、四隅だけが菱形の波と平面形とが交差して複雑化し処理がしにくく、それで半円形を媒介にして吸収しています。この下は四隅ともに円形の客席があります
約1700人固定席があり床の仮設スタンドまで入れると約4000人ぐらい入ります。床は木地のままだと木目がちらつくのでグレーに染めています。そのほうが武道衣装に似合うと考えたからです。
大天井のトップライトは光量の予測がたいへん難しかったのですが、ほぼ思ったような照度で空間を包む効果を得られたと思っています。
所々にある凹みはトップライトの光を陰になる面に反射させるためにあけたもので飛び梁状の隙間から、トップライトの光がはみ出てくるようにしています。
これは上段です。太鼓がすでに置いてあります。上段をどうデザインするかで随分考えたのですが、結局この建物を支えているメインの円柱がありましてこれを全部集約する形でここの背景をまとめました。
これは四つのコーナーを下から見上げたところです。左右の状況が違いますのでまったくこちら側に都合の良い納まりに変えています。
これは先ほどのエアコンのダクトです。天井は九割近くが吸音材です。グラスマットと後は有孔ボードが大半です。
これは柱をくわえているところのピンジョイントで、構造材のまま露出したかったのですが、耐火被覆がどうしてもこの高さまで必要になり、実はカバーで表現しています。柱は全部メタリック系の塗装で、渋味をもたせています。客席の椅子も新たに型をおこしたオリジナルでグレー色で染めつけています。
内部の小武道場の入口は、各所別々に武道館のイメージを図案化した破風としてシンボル的に飾りつけています。
小武道場入口の天井は先ほど説明した熊井さんがつくったステンレスのネットが、天井を雲のように覆っています。そして、陶芸家の和田さんの照明器具がふたたびこの辺に小さく入っているというふうに配置方法を工夫したつもりです。
一階は柔道を主体にした小武道場ですが、畳の赤い色というのは国際ルールで決められていて、私はたいへん嫌がったのですがどうしても替えてもらえません。柔道をやられている人がいたら怒られるかも知れませんが、もう少しましな色幅にして欲しいなと思いますね。
これは実物より写真の色が悪いので、実際はこんな紫ではなくもう少し違った色です。ここは天井がフラットなため波形の表現ができず、梁を平面的に菱形の交差梁にしてここでも菱形のイメージをしつこく展開しています。
道場には慣例的に上段が仕組み込まれています。昔は神棚があったのですが、宗教の自由から今は各武道家が心の中で自分のシンボルなり自分の尊敬できるものに対して礼拝する対象だということで、したがって何を置けばいいのか、私は任されても困るのですが、ここでは空をイメージして円形をシンボルに使ってます。