アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
では、ホールをどうやって使うのかということになります。それだけのものをつくるからには使えるようにしなければなりません。私は設計をしている間、ほぼ三年間NPAC(新潟パフォーミング・アート・センター)ワークショップを開いて全国から募集して、公共ホールをどう使っていけばよいか勉強することにしました。ボランティアもです。全国からうまくホールを生かして、公共性について考えているベテランを招いて学ぼうということでした。三百何十人集まって、そんなに大勢でいつもやっていられないので、公開システムをとりながら、八十人ぐらいの人と三年間勉強しました。音楽会でのレセプションについてやお辞儀の仕方まで、サントリーホールの方に習うこともありました。そのようにいろいろなことをしながら、この建物をどうやって運営するかについてやってきたわけです。一番勉強をなさったのは行政の人たちだと思います。実際にその人たちがこれから動かし始めるところです。最終的には市民をうまくボランティアに使おうと行政は考えています。
そんなことで、この建物のあり方を積極的に公開したいという意識と同峙に、使われるものにすることを、設計から工事中を通して忙しくやってきました。私はそうしたことをすることに、もう一つ意味があると思います。湘南台文化センターでも、建物が立つ前の原っばで、盆踊りや豊作祭が行われていました。そこに建築をつくることによってそういうことがすべてできなくなってしまうことは、まさに生活の場を壊してしまうことではないかと感じ、地下に建築を埋めてプラザをつくり、丘のような建築を立ち上げたわけです。そこにあった活動をぜひ継続させたかったのです。
それまで行われていた活動を継続しながらやっていくことが文化だろうと思います。
新潟でも、都市のアルケオロジーの継承だけではなく、それまであった文化を現代的に継承しながら、さらに発展させて成長させていかねばならないと考えました。建築をつくったものの、町の持続している芸術を壊してしまうのでは何にもなりません。そのためにも、ワークショップや対話集会を開くことは重要です。