アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
スタートのときから建築家とは何だろうと考える中で、単にものをつくればいい、アーティスト的な作品をつくればいいということだとすると、ずいぶん建築という理念は狭いものだと思っているところがあります。もっと何かさまざまなことに関係して接続して、リンクして成り立っていて、そういうものをインクルーシブしていくことが、建築が生きていく過程であるのに、なぜそのことに関わらず建築ができるんだろうという思いが強いわけです。建築にはいろいろなやり方があって、そういうものをカバーしていくのだろうけど、私はまだまだその手法が見出せないので、住宅をつくってきたときの過程で十数年かけて学んだことをさらに公共建築のつくり方にし、そしてランドスケープの問題にしているわけです。こうした研究をどのように進めていくかを考えながら、このウォーターフロントの場を得たりしています。
つくる論理優先の国にあって業者扱いを受けていますが、建築は文化や環境づくりを考えながら、こうした使う論理から出発する建築論も、なかなか社会に理解をされないゆえ、積極的にこうしたことについて話す機会も狭められていると感じます。私たちが考えていることはあまり日本で話しても受けないものですから、日頃は建築の仕事の話だけで、外国の大学へ行って話しています。しかし、日本も不景気の中で建築家って何だ、と普通の人たちもそろそろ考え始めたときに、建築家の役割が本格的に見直されなければいけないのではないかと実感しています。