アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
会場には若い学生の方もいらっしゃいますが、あなた方がなぜ建築をやっているのかと聞かれたらどう答えますか?僕は数年前までは快適な建築、心地よい建築をつくるためだと答えていましたが、現在は楽しい建築をつくりたいからだと答えるだろうと思います。 楽しい建築、僕にとってそれにはふたつの意味があります。ひとつは、自由であることが感じられるような建築です。建築の設計にかかわっている方はおわかりでしょうが、建築は不自由なもので、自分がこうしたいと思っていてもできないことばかりです。経済的なことや法規やクライアントの関係、社会的な状況の中であまりにも不可能なことが多い。
不自由な状況の中で、少しでも自由を享受できるような建築をつくりたいという思いが、僕に建築をつくることを頑張らせるのです。もうひとつは、何かをいろいろな人と一緒につくること、つくることを共有できることです。今は建築をつくることに反対する人は多いのですが、本来、何かをつくることは人間にとっていちばんプリミティブな喜びであるはずです。そのことを私たちは思い出さないといけないと思います。そのふたつのことを実現するために、僕はとりあえず素材や構造の問題を重要なものだと思って、それを手がかりとして建築を考えているのです。具体的にそのことの意味を、最新のプロジェクトを含めてご紹介します。